2013/9/29

浜田舟板図解説  
  
   弘光船大工の板図
   浜田タガヤン船 昭和51.11.19起工
イ 瓦長サ 一丈七尺四寸五分
 瓦はカワラあるいはシキと呼ばれる船底板です。長さの単位1丈は3030mm、1尺は303mm、1寸は30.3mm、1分は3.03mm、丈尺寸分は十進法です。1丈7尺4寸5分は5287mmです。カワラ長さはミオシ(立木、タテギ)からトダテ(戸立)までを測ります。和船の大きさはカワラの長さで表現されることが多く、この船をカワラ17尺船と言えば大体のイメージがつかめます。カワラの長さは船の水線長に近く速度の目安にもなるので船を代表する数値としては適当な物でしょう。
ロ 友の次ギ 五尺
 友は艫の当て字でしょう。友の次ギはオリイレとも呼ばれます。船体後半にあるカワラを折り曲げる場所を示します。カワラ後端から5尺1515mmでノコギリで切込みを入れ曲げて行きます。
ハ 巾所 四尺一寸
 ヘサキの巾所、ヘの巾所あるいは単に「ヘ」と呼ばれます。船体前半にある場所の名称でカワラ前端から4尺1寸 1242mmの位置です。友次と巾所の二箇所で船体断面形を決定するので船の設計上では非常に大事な場所になります。
ニ コナオリ 二尺五寸 コナオリのモチ 二寸五分
 カワラ前端を曲げる位置と量を示します。モチは持ち上げる距離です。前端より2尺5寸 757mmのコナオリの位置をがっちり固定し先端を2寸5分 76mm ジャッキで持ち上げます。
ホ 瓦の巾 オリ入レ 二尺五寸四分
 オリ入レ(友次)でのカワラの巾は2尺5寸4分 770mmです。
ヘ ヘ 一寸二分のヲチ
 ヘサキの巾所でのカワラ巾はオリ入レの巾より1寸2分36mm狭くします。
ト 友の張廻し 尺六寸五分ヨッテ 友巾ヨリ六分ズツ張ス
 友次でカワラを折っているため友次より後ろのカワラは大きな膨らみを付けないとカジキと密着しません。友次より尺6寸5分500mm後ろで友次での巾より6分18mm広げます。
チ 同 五分 張ス
 同の意味不明(ヘサキのカワラ巾か?)
リ オケジリ 尺0
 オケジリは戸立の付く場所でカワラ板の最後部です。巾の尺0は1尺丁度でしょう。
ヌ 友の下モチ 七寸七分
 カワラを友次で折り曲げ、カワラ後端戸立の下端をカワラから7寸7分233mm持ち上げます。
ル 戸立の形 三尺四寸
 形は肩巾と書く船大工もあり肩の意味で戸立板の最大幅を示します。
ヲ 切リ上ゲ 七寸六分
 切り上げはカタの位置がオケジリから7寸6分230mm上がった所にある事を示します。
ワ 仕上ゲ 切リ上ゲヨリ上に尺一寸六分
 戸立板の仕上げ高さは切り上げより上に尺1寸6分352mm上がります。
カ 戸立切リ小口尺ヨッテ一寸三分切ル
 戸立板の切り上げより上部の切り落とし(切り小口)は1尺に付き1寸三分37mmの割合で削ります。
ヨ 立木
 タテギはミオシ、ミヨシとも呼ばれるヘサキの棒状部分です。
タ 立木の前口 五尺
 前口とは立木の船内に向いた面を言います。カワラからタナ板上部までの立木の長さが5尺1515mmです。
レ イキ付 尺九寸八分下ル
 イキ付とはカジキ板の上辺が立木と交わる点を言います。タナ板上部が付く点から尺9寸8分600mm下がります。
ソ ソラの長さ尺一寸 ?
 ソラは立木のタナ板より上に出た部分です。1尺1寸333mmを前口の長さ5尺に足した材木を立木として準備します。
ツ ソラ 三寸ソグ ?
 タナより上に出た部分を3寸91mm削って、反りを付けます。
ネ イキ付で九分クル ?
 前口の面をイキ付で9分27mm凹むように削ります。
ナ 三分のメン 八分のアオリ ?
 メンは面取り。アオリは不明。
ラ 前口の厚ミ 下四寸八分 上五寸八分
 船内から見える前口の巾です。カワラに付く部分で4寸8分139mm、タナ板の上部が付く部分は5寸8分176mmです。
ム 立木の出 上六寸五分 中五寸上がった所で五寸四分 下四寸九分 ?
 立木の形状ですが位置が不明です。
ウ ヘ上モチ 尺二分五厘仕上リ ?
ヘサキの上モチはタナ板の上辺が立木と交わる点です。巾所のタナ板上辺から尺二分五厘311mm上がった所です。タナ上辺の高さは別の計算式で出します。
イ ヘの上モチ 尺七分五厘(初めにやる) ?
 初め の意味が不明です。
ノ 瓦ヨリ二尺八寸五分見付る
 カワラから高さ2尺8寸5分863mmの位置に立木のヘサキの上モチを固定します。
オ 友の上モチ 六寸八分
 タナ板の上辺と戸立板の上辺が交わる点が友の上モチです。友次のタナ板上辺より6寸8分206mm上です。
ク 瓦ヨリ二尺四寸五分五厘
 カワラから2尺4寸5分5厘744mmの高さに戸立の上辺を固定します。
ヤ サンガイ
 サンガイはカワラと立木とカジキが交わる部分を言います。立木と戸立を付けたカワラにカジキ板を当ててみるとサンガイ部分が板が足りなくなります。隙間を埋める為に三角形の板をハギ足します。
マ 梶木のクギ イキ付ヨリ 二寸六分下って 四寸二分が四本それから二寸四分下った所がサンガイの小口
 カジキの釘はイキ付から二寸六分79mm下がって四寸二分127mmの船釘を四本打ち、それから二寸四分73mm下がった所がサンガイになります。
ケ 梶木 友 尺二寸五分 ヘ 八分のヲチ
 カジキ板の巾は友で尺二寸五分379mmで、ヘサキでは八分24mm狭くなります。
フ 平木 友 九寸四分 ヘ 九寸
 平木は開きの当て字で、カジキ板やタナ板の水平との為す角度を意味します。友次でのカワラとカジキの為す角度が九寸四分とは底辺が九寸四分、斜辺が一尺の直角三角形で、この二辺が為す角度、アークコサイン0.94で19度を表します。ヘの巾所では九寸で26度になります。カジキの平木と巾が分るのと友とヘでのカジキの断面が描けます。
コ ヘのハタゾロエ 見付ヨリ三分張ス 友見付ヨリ二分張ス
 ハタゾロエの意味が不明です。
へ 上ダナ 友 尺二寸五分 へ 尺二寸五分
 タナ板の巾は友もヘも尺二寸五分379mmです。
テ 友見付ヨリ 一分半タラス 五分の増シ
 タラスの意味が不明です。
ア 平木 友 八分 ヘ 一寸四分 五寸に付見る
 タナ板の水平に対する開きは友で八分 アークコサイン0.08で85度です。
 ヘ では一寸四分の開き82度でタナ板は鉛直に近いのが分ります。タナ巾と平木をカジキ上端から描き足すと船体断面が描けます。
サ 板中フナバリ 三寸下る
 フナバリは   より三寸下がります。
キ 友ロ 四尺七寸
 船尾の艪の艪間?は四尺七寸1424mmです。
ユ ワキロ 三尺四寸
 右舷脇に付ける艪の艪間?は三尺四寸1030mmです。
メ 網クリ間 五尺二寸
 
ミ ツナ間二尺五寸 二寸五分ヨッテ二寸が舟バリ所

シ 大ドコ 六寸
 船尾の最大の梁は巾六寸182mmです。
エ 友の出 五寸 八分のクライを取って

ヒ 上ジリ 七寸八分 下ジリ 尺一寸六分

モ 友の切小口 上ジリの手前で一寸二分出す
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2013/9/28

アメリカで和船  
ダグラスさんはこの冬アメリカで和船を建造する計画のようです。

Dear Tengu san,

The boat will be a Tokyo style tenmasen, shorter than what I built with Fujiwara san,

I have to redesign for smaller size.

It is for a formal Japanese garden in America.

A French architect in Osaka offered to draw my Takamatsu boat on the computer. I sent him the dimensions from the itazu. Notice boatbuilder drew several different angles for miyoshi (I think). Interesting.

Douglas


On Sep 27, 2013, at 1:02 AM, tengushiba@aol.com wrote:

Hellow Douglas
Building WASEN in America is nice plan.
What kind of Wasen do you build?

I made a contact with Mrs.Tagami.
I hope they will build Hobiki fune and make the record of Wasen building.

The record ,ITAZU of Hiromitu funadaiku is easy to understand.
I am making 3 lines from 3 Itazu.
20shaku kawabune,40shaku Amibune.26shaku fishingu boat.
Please take a look at my blog.
芝藤敏彦 

Dear Tengu-san

This winter I am building a wasen in America.

I need some toorikugi/kashirakugi from you. Maybe otoshikugi as well.

I will determine the number and let you know.

Sincerely,

Douglas



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2013/9/27

霞ヶ浦の帆引き舟  
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富永さんが帆引き船の写真を送ってくれました。
綺麗なフォルムです。
建造計画が うまく行きますように。
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2013/9/27

川舟操縦中  
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軽い川舟を慣れない船外機で おっかなびっくり操縦中。
昔は船外機がなかったので、
この舟は高速運転に対応した形ではないのでしょうが
まあ なんとか運転できています。
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2013/9/26

五分盗みの秘法  
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大崎さんの舟は伝統的な仁淀川舟で船底中央で五分 15mm
カワラ板が凹んでいます。サバニの五分盗みの秘法のようです。
船外機で高速で走りますと、写真のように
舳先の波(板ミオシなのではっきりは出ませんが)と
船尾の波 の間に船体中央部から斜め後方に
水の尾根が続いています。
凹みの無い普通の船体でハルスピードを超えたら
船首波と船尾波だけで中央部は大きく水面が凹むはずですが
凹みを少なくして、波として消えていく推進力ロスを
少なくする点が五分盗みの秘法なのかな と考えてしまいます。
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2013/9/26

大崎船大工の仁淀川舟進水  
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大崎船大工が建造した仁淀川舟を進水させたと言うので
乗りに行きました。船体が軽く、周りの舟よりも浮いています。
カジキは能勢さんの建造した舟よりも10度立っているので
船体は沈むかと思われるのですが、舟が予想以上に軽いようです。
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2013/9/24

久枝の網舟  
南国市久枝、高知空港近くに終戦直後に建造された36尺の網舟
が倉庫の中で眠っているという話があるので調べに行きました。
近くで尋ねると持ち主や場所はすぐ分りましたが
倉庫のあった場所には新しい家が建っていました。
家を建てるために網舟は外に置いてあったのですが
大量の網などの重みで船が割れて処分されたそうです。
残念でした。
ただ新しい情報として香南市赤岡町に網舟があると
教えて頂きましたので また捜しに行きましょう。
赤岡は昨日ヨットに乗った夜須のすぐ手前です。
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2013/9/18

町見の板図  
Machimi museum wooden boat
町見郷土館の高島学芸員と連絡が付きました。
所蔵されている板図は10枚ほどで
他に開きの型板などがあるそうです。
詳細な部材寸法の記述は少ないようですが
船大工さんが残された古い帳面に
文字のみでの船の詳細な記述が沢山あるそうです。
それを見れば自分が建造した船が完璧に思い出せるのでしょう。
それが読めるようになれば同じ船も建造できるのでしょう。

弘光さんの板図を読む方法が分れば
他の船大工さんの板図を読み船の図面に描くことも
可能になるでしょう。
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2013/9/18

四万十川船  
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Shimannto river boat
初めての方でも完成まで漕ぎ着けられそうな
簡単に建造できる舟の図面を考えています。
弘光さんの舟はカジキ板のある5枚作りで
初めての方にはカジキ部分が難しいので
カジキの無い3枚舟にしましょう。

四万十川の川舟は3枚作りです。
歴民館に舟が保存されているので
それを計って図面にします。
サーマル工房の谷村さんが和船キット第二弾を作るべく
計測されたデータとスケッチをいただき
写真の船体図面に描きました。
全長6m、幅1.26mです。

この船体のデータを船の設計ソフトに入力し
ラインをフェアリングし、オフセットを出し
排水量ほかの計算までパソコンにしてもらいました。
次は構造などを描きましょう。
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2013/9/10

町見木の船  
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歴民館中村学芸員よりのご案内です。
愛媛県佐田岬半島伊方町にある町見郷土館で
木造和船の展示が行われています。

この板図には平面図も断面図も描いてあります。
部材寸法の記述はあるのでしょうか。
見に行きたいですね。
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2013/9/8

浜田船の板図  
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弘光船大工が昭和51年建造の浜田さんのカワラ17尺
全長8m弱の和船の板図があります。
側面図と詳細な部材寸法が丁寧な文字で書かれているので
読解しやすく、練習に作図してみました。

断面図、平面図が描けます。
当然ですが 側面図は板図のものと同じです。
細かい点ではミオシのソラ、ナビキという言葉が
出てきて意味、場所が不明で困っています。
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2013/9/4

図面  
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板図の情報から図面を描いてみました。
実際の船を計測した開き角度とは度のレベルまで正確に合います。

コンピューターを変えたので、うまく画像が処理できません。
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2013/9/3

板図 開き  
へ巾所(ヘサキのハバドコロ)3尺2寸
カワラ幅          2尺3寸
カジキ 幅         7寸6分
カジキ 開き        7寸8分(38.7度)
上タナ 巾         4寸六分
上タナ 開き        1寸2分(83度)

ヘ巾所とはカワラ前端より3尺2寸船尾方向の場所です。
そこでの船体断面形が上の記述で描けます。
カワラ巾を水平に書き、その両端に板巾7寸6分のカジキを
付けます。カジキ板と水平との為す角度が
「開き」7寸8分と与えられます。
開き は斜辺長1尺、底辺7寸8分の直角三角形の
この二辺が 挟む角度を示し、アークコサイン 0.78で
38.7度と分ります。
上タナはカジキ板の上端に付き、巾4寸6分で
開き は1寸2分 アークコサイン0.12で水平に対して83度。
これで断面形状は決定されます。

板図には平面図が無くても船型がキチンと描けるのです。
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