文字を書くことで、気持ちを落ち着かせることにつながっていたのかもしれない。
ここからは その日 のメモ書きを元に。
12/17(金)
AM6:36
気のせいかもしれないが、嫌な音で電話がなる。母からtel。
病院から、父の意識が混濁しているから来てほしいとの連絡あり。
とりあえずいってくるから、とのこと。
布団にもぐって考える。会社休もうかな。出荷あったな、売上げ処理したけどfaxいれてないや。うーん、どうしようかな。
AM6:47
再び今度は兄からtel。ご家族も来てくれとのこと。いくしかない。仕事はどうにかなる。
兄はいかないとのこと。一瞬、えっ となるけどこの際もうかまってられない。
メガネをはずしてコンタクトをする。
AM6:57
もう一度家にtel。母にはメール。もう涙が止まらない。
AM7:05
気持ちを落ち着けたくて、一番頼りにしてた人にtel。でない。そりゃそーだ。
でないほうがいいなと思いとどまる。この人はきっと前みたく、他人事なのに気をもませてしまうしなあ。
AM休で済むかもしれないという不思議な感覚?期待?で、化粧ポーチを引っ掴んでバックに投げ入れる。小田原に向かう。
今日くらいは安いけど遅い小田急線でなく、早いJRでいこうと思った。10分弱早い。
品川で乗り換え。そうか、新幹線つかおう。ひらめさんの言葉を思い出す。
初めて券売機で買った。
これでいいのか?てゆか高くね?ま、いいや。
次に出るのが7:36ののぞみらしい。自由席がわからない。うろうろ
とりあえず来たので乗る。コンビ技。
自由席禁煙へ。さすがにすいてる。
なんとなくbonobosを聴いていた。ふと不安になってイヤホンをはずす。
車内アナウンス「新横浜には7時X分、小田っ、名古屋にはX時X分」
え、小田原とばした?てゆか噛んだ?てゆか止まらない?
丁度、車掌さんが切符拝見にきた。きく。
「新横浜で乗り換えてください」とのこと。あぶね。
AM7:47
新横浜到着間際、母からtel。慌ててデッキへ。ストール落として拾ってもらう。おちつけ。
「いま病院ついたから」「私いま向かってる、いま新横浜」
ありがとうよろしくね、と切って、こだまを確認して乗った。
小田原駅についたのはAM8:10頃。
うちをでてから約1時間。
急いで病院に向かう。
いつもの病室に父はいなかった。一瞬血の気が引く。
看護師さんに聞くと、ナースステーションに隣接されている特別室に移動していた。
ドアを開ける。
酸素マスクをつけた父。横に付き添う母がいた。
間に合ったようだった。
とたんに涙があふれた。
いくら話しかけても応えることはなく、ただひたすら深い呼吸をしていた。
ほら、ドラマみたいに、いつか読んだ小説のようにパチって目を開けないかな。
いつのまにこんなにおじいちゃんになっちゃったかな。
回復しないの?まじでいってんの?
先週、元気だったじゃん。マッチのコンサート行ってキャーキャーした話したじゃん。
わたしの話が面白いなあって、もっと聞きたいって言ってたじゃん。
iPodの使い方だって覚えてきたのに、山下達郎入れてあげたばっかなのに。
わたし先週なんか言われたっけ。最後に言われた言葉とかあったっけ。
予期するようなこと言ってた?言われてねーよ、聞いてねーよそんなの。。
涙腺がこわれたみたいに涙が止まらなくなる。
母の話では、昨日もいつも通り元気だったそうだ。
ちょっと熱があったみたいだったけれど、夕ご飯もきちんと完食した。
じゃあまた明日ね、バイバイ って別れたのよ、と。
12時間も経ってないのに、、
状況を把握して、すこし落ち着いたので会社に連絡を入れる。
部署に今日は休む旨の連絡、今日の業務の委託、指示。
動揺せずに連絡できるものなんだなと他人事のように感じた。
苦しそうじゃないのが幸いだった。
宮崎や八王子にいる父の兄弟には連絡済みというが、おそらく間に合わないだろう。
でも昔から、おれに人工呼吸器はつけるな、延命治療もするな、と言っていたことは守りたい。
それをもめることなくちゃんと遂行してることに安心する。
気づくと、父の深い呼吸が止まっている。
あれ、息してなくない?え、待って、やだやだやだやだやだ・・・・とまた涙があふれて母を呼ぶ。看護師さんも呼ぶ。
息をのんで見つめていると すうっとまた息を吸いはじめる。
吸って、吐いて・・・吸って吐いて・・・・・・吸って・・・吐いて・・・・・・
そうしてまた呼吸が止まる。しばらくしてまた吸う。しばらくして吐く。
まるで間隔のながい深呼吸を繰り返しているようだった。
そうしてかれこれ2〜3時間ほどたっただろうか。
そのときがきた。
血圧の数値がさがる。機械が警告音を発する。看護師さんと先生がくる。
そこからは実はあまりよく覚えていない。
あっけなかった気がする。
わたしと母がみつめるまえで、父は息を引き取った。うそみたいに。

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