
僕にとっての2004年ベストアルバム。裸のまま楽器を鳴らして歌を歌った、魂からしぼりだされた荒野のブルース。目をつぶって音に耳を済ませると、真っ白で何もない空間が心の中に広がる。その中で僕は彼女と感情の起伏を共有し、共に歩く。やがて海にたどり着いた。最後のトラックの前に収められたカモメの鳴き声。初めて聴いたとき涙が止まらんかった。そしてそのあと聞こえてくる彼女の歌声は包み込むようなやさしさと、喪失の悲しさにあふれている。余分なものがそぎ落とされている分、彼女の体温がよりダイレクトに伝わってくる。こんなすごい表現にはめったに出会えない。
しかもこの作品がセルフプロデュース、そしてドラム以外の楽器を彼女がプレイしたというのだから驚く。表現の普遍性、オリジナリティー、力強さのレベルがとんでもないところに達してると思う。私的大名盤。

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