上質のシングルモルトをゆったりと愉しむのもよいが、
角瓶には角瓶の旨さがある。
たとえば、気軽にハイボールを呑みたいときなどは、
角瓶のあの「棘」こそが、強い炭酸と相まって
キリリと引き締まった味わいとなるものなのだ。
オリンパス・ペン。
最近、ぼくのポケットにはいつもこれが突っ込んである。
いわば カメラの角瓶 という訳だ。
LEICAやCONTAXを持ち歩いていると、
どうにも 気軽にパチパチ とはいかないものだが、
こいつならポケットからとり出してワンアクションだ。
ご存知のハーフサイズカメラだが、
時として驚くような描写を見せることもある。
受光部のサークルアイが特徴的な秀逸なデザイン。
暗いところではファインダーに赤いベロが出てきて
光量が足りまへん
と茶目っ気たっぷりに教えてくれる。
かといってけっして最近の廉価版カメラのような
いい加減なつくりではなく
随所に銀塩カメラ全盛時代の職人魂がみてとれて
ほどよい重量感が金属カメラを構える喜びを与えてくれる。
カメラというものが
贅沢品から大衆的なものへと移行する過渡期に生まれた
なんとも高級とチープがごちゃまぜになったような面白さがある。
唯一の悩みといえば、
36枚撮りのフィルムを詰めたりすると
72カットも撮らなくてはならないので
いくら ぱちぱち やろうとも
なかなか現像に出せないところだろうか。
初代のPENは1959年生まれだそうだ。
ぼくと同い年だ。
あちこち手入れが必要なところばかりだが、
なんとか生きていこうではないか ご同輩。