「“丸裸”小笠原、日本一狙うハム&巨人のキーマンに」
野球
“丸裸”小笠原、日本一狙うハム&巨人のキーマンに(ZAKZAK)
眠っていた不動の3番打者、小笠原が目覚めの一発。
日本ハムにとっても、巨人にとってもキーマンではある
『
日本シリーズ第3戦(3日、東京ドーム)は巨人が小笠原道大内野手(36)の活躍で勝ち、対戦成績を2勝1敗とした。10年間在籍した小笠原を2006年オフにFAで奪われた日本ハムと、獲得した側の巨人。
打撃の傾向から性格まで小笠原を“丸裸”にしている日本ハムと、されている小笠原。両者のせめぎ合いが今シリーズのポイントであり、決着はまだついていない。
シリーズの流れを大きく変える1打になったか。2−2の同点で迎えた3回2死走者なし。小笠原はこの打席を迎えるまで、1回の1打席目(左飛)を含め今シリーズ通算9打数1安打(打率.111)とブレーキになりかけていた。ところが、先発・糸数から右翼席へ勝ち越しソロをたたき込むと、これで勢いにのり、再び追いつかれて迎えた5回2死一、二塁でも左中間フェンス直撃の決勝二塁打を放ってみせた。
「
小笠原がああやって巨人の中軸を打っているのだから、ある意味ではうれしいですよ。負けたのは悔しいけれどね」。試合後、そう話して複雑な表情を浮かべたのは、日本ハム・山田正雄GMだ。
小笠原が1996年のドラフト3位でNTT関東から日本ハムに入団した当初、それほど将来を嘱望されていたわけではなかった。本人の努力もあってスター選手となり、2006年にFA権取得。同年オフ、本拠地が自宅のある千葉県から近く、日本ハムより1年長い4年契約を提示した巨人へ移籍した。
小笠原自身は「
自分がいるのはジャイアンツ。私情を持ち込んだら勝てない」と割り切っているが、日本ハム関係者にとっては、「
うちが育てた選手」との本音はぬぐえない。
そもそも日本ハムは、今季開幕時の支配下登録選手の平均年俸(日本プロ野球選手会調べ)でみると、12球団で下から数えた方が早い8位にあたる3305万円。4676万円の巨人は阪神、ソフトバンクに次いで3位だが、李承ヨプ(推定年俸6億円)、ラミレス(同5億円)ら外国人選手は調査対象外であり、実際の差はずっと大きい。
前出の山田GMは「
ウチには基本的に、弱いポジションがあるからといってヨソから取ってくるという発想はない。ほとんど自前で育てる以外にない。巨人さんには巨人さんのやり方があり、最近は巨人さんにも若手が育ってきているが、この不況下で一般企業などにとって参考になるとすれば、ウチのやり方ではないかな」。小笠原の存在は両軍の対照的な特徴を浮き彫りにしている。
とはいえ日本ハム側にとって、10年間在籍した小笠原のすべてを把握しているのは有利な材料。
小笠原の社会人時代の同僚で親交の深い、現NTT東日本ヘッドコーチの関口勝己氏(44)は「
小笠原は社会人時代から、ここ1番のチャンスでりきみ過ぎ、空回りしてしまうことが多いのが玉にきず。日本ハムはそこを熟知していると感じます。第2戦の2死満塁でダルビッシュが遅いカーブを有効に使い空振り三振に仕留めたところなどは特にそう。小笠原にとって日本ハムは、丸裸にされているのだから嫌な相手でしょう」と指摘。「
きょう(3日)の本塁打は、2死走者なしの場面。“一発狙っちゃおうかな”くらい気楽に打席に立てたのが良かったのかも」と続けた。
実際、古巣の日本ハムでは「
小笠原の“ガッツ”の愛称の由来はもともとは、『ガッツあふれる』ではなく、『何事にもガツガツする』性格からきている」のが共通認識。
それを対戦に有効利用しているというワケ。
日本ハム・五十嵐信一チーフスコアラーはこの日の一発こそ「
攻め方を間違えた。小笠原に対しては過去2戦のように、もっとボール球を有効に使いたかった」と反省点を口にしたが、「
きょうはうまく反応されたが、ずっと一緒にやっていたから、よくわかっているというのはある」と基本的なデータに変更点はなしとみている。
果たして本当に相手を見切っているのは、日本ハム側なのか小笠原か。日本一の行方を決めるポイントになりそうだ。
★巨人が日本シリーズ通算100勝達成
巨人は3日の第3戦で日本ハムに7−4で競り勝ち、日本シリーズで通算100勝を達成。巨人の日本シリーズ出場はこれが32度目で、これまで日本一に20度輝いている。通算2位は西武の68勝。
【巨人の日本シリーズ史】
1951年 水原監督が率い初出場
65年 V9の幕開け
71年 第3戦で王がサヨナラ3ラン
73年 V9を達成
89年 近鉄に3連敗から4連勝
94年 長嶋監督が初の日本一
2000年 ON対決を4勝2敗で制す
02年 原監督、西武に4連勝
09年 第3戦で通算 100勝達成』
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