・・ああ眠い。トルマリンの湯につかってるうち眠りそうになった。・・岩盤浴では、なかなかノれない。ようやく周囲が気にならなくなっていい汗がでる。天上の星星に溶け込んだと思ったらなんのことはない、うとうと時間を忘れていた。お客さんもうおしまいですよ!と夢の中で声がしたとおもったら吾に返った。・・むかし伊豆の海岸で絶壁の切り立ったところで野宿をしたことがある。こんなところで寝るべきではない。波の音がドドーンドドーンと下の大地を砕くように聞こえる。星空にたしかにトリップできる。完全に居場所を失う。飛行機の事故かなんかで命を失うときはおおかたこんな感じなのかもしれない。まったく眠れないよ。でもトリップはできる。・・ジェットストリームってやつかも。
・・眠ると気分がいい。レストランでビールとゴボウチップスというのを注文した。このチップスはゴボウを薄く切ってポテトみたいに揚げたものだ。ああ感動的な味がする。美味い!なるほどよく考えたものだ。ゴボウの滋味な泥臭い味が最高にエキスの味になって味覚を刺激する。
・・新緑がさわやかだ。イヌシデ、コナラ、・・もっといろいろだが、どうも忘れる。こんな頃もマイナスイオンがたくさん出るのだろう。からだの筋肉にも力が入る。・・ふだんが悪い生活なんだよ、きっと。
・・ところで、天孫降臨神話とは何だろう。…アマテラスとスサノオ。なんかトリックみたいだけど、神武はだれだろう。エフライムの子どものBeriahという話もある。ああわからない。
・・トロイという映画をみた。…ヘクトールとアキレス。これもキャラクターがはっきりしているが、やはりわからない。海幸、山幸なんかも、やはりわからない。
・・木馬は不吉だ。これはわかる。
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雨フル、サノノ渡り、・・
・・縄文の湯とはよくいったものだ。あの暗褐色の湯はたしかに縄文の土の香りがする。よく熟成された海の水かも。鹿とか猪とか猿とかいろんな生き物の体液を含んでいて、それになじむと、それら生き物のささめきが聞こえてくる。
・・また雨か。
苦しくも降りくる雨か三輪の崎佐野の渡りに家もあらなくに
・・この三輪の崎は、いまの新宮市あたりだという。…これを本歌とする定家の歌がある。
駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野の渡りの雪の夕暮
・・この佐野の渡りは、なにか矢切りの渡しのような川のイメージがあったが、どうも違うようだ。新宮あたりなら、海であろう。・・海の渡りというのもすこし妙だが。
・・温泉にいって、ふと、思った。「佐野」は「狭野」とも記す。「狭野」といえば、神武であろう。・・神武の幼少の頃の名が「狭野尊」サノノミコトというらしい。「佐野」は地名ばかりではない。神武をいうのだろう。
・・「三輪の崎」も三輪山の麓あたりにあるらしい。・・駒とめて…というのは、なつかしいウマのことだが…
・・ところで、神武は実在したのだろうか。これが、わからない。
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雨フリ、北斎、ソテツのように
・・また寒い。・・ソテツというのはつよい。水がなくてもずっと葉を青くして生きている。そう思って放っておいたら急に枯れはじめて白くなっている。ふたつのうちひとつの葉はまだ生きている。あわてて水をやる。
・・雨になる。北斎だったか、画狂とよばれて雨フルごとに外に飛び出したのは。雨降りだから部屋に垂れこめてミステリーを読むとか空想にふけるのもいい。あっという間に時がたつ。・・最近は雨降りだっても自転車で温泉にでかけることが多い。先日はおおどしゃ降りの中温泉から帰宅した。それと較べればきょうはどうということもない。退屈な日常をふっきるならこんな雨はなんでもない。日常は断じて退屈ではない。ただ脱出してみるのもいい。
・・雨に濡れちゃいましたね。レストランの注文取りが笑いながらいう。雨の中自転車で来るのが愉快らしい。あんまり濡れると座った椅子がびしょびしょになる。そうだね。ホームレスみたいで失礼かもね。・・砂肝のタレ焼とビール、ナシゴレンを注文する。ここの料理は美味い。
・・温泉はどうせ濡れるから雨はあまり気にならない。ただ時間の流れがちがう。透いていても雨音にせきたてられるようなところがある。
・・しかし、眠りたりない。あまり眠らないと、ソテツのように白くなってしまうかも。・・眠りはすべて美味い。
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片目のジャック、桜散る、フリーク
・・花散る頃、灰島の温泉にでかけた。カトマンズにあるフリークストリートは愉快だが、ヤマトで温泉に行くのも愉快だ。だいいち一時間もかけて自転車でゆくのは、痛快きわまりない。・・天気があやしい。飛行機が低空でバリバリ轟音をあげて飛ぶ。ケヤキとかいろんな雑木が小刻みにふるえる。
・・不安があたって帰りは雷雨になった。すぐ止むだろうというには黒い雲がつづいてる。
えい、濡れてしまえ。とは思わない。傘でガードしたが、これは限界がある。足とか靴はびしょびしょになる。・・野獣のように帰ってきた。
・・「片目のジャック」を見た。おもしろい。マーロンブランドのあんな緊張した眼差しを知らない。「片目のジャック」とは、風林火山の山本勘助や柳生ジューベエのような隻眼かと想像したが、意味するところは違う。人の隠れたる裏の顔のことらしい。
・・なるほどね、メキシコとアメリカの国境を越えていったりきたりの西部劇。メキシカンの若い娘がならず者に恋をする。・・ひどく低音の英語を話すので男みたいな娘だ。キッドは私生児なのか、自分の母親を知らないという。・・混血はいかにして生まれるのか。そういうテーマでみると、この映画はかなりまじめであり、人の生のたしかな時間がある。
・・ウソとマコト。・・そういうテーマでみても、これはけっこう深い。・・よくわからぬが、映画をみて無駄な時間をつかったとは思わない。・・めったにないことだ。