京都会館開館45周年・前川國男生誕100年記念のシンポジウム+見学会に参加。
http://www.kyotokaikan.org/
DOCOMOMO100選にも選ばれた前川國男設計の京都会館の今後(保存問題)について考える会でもあり、シンポジウムは布野修司氏の司会のもと、岸和郎、横内敏人、石田潤一郎氏らがパネラーとして参加。見学会では松隈洋氏がガイド役を務める。
一度だけ前川國男と面会したことのある布野修司氏は、念願の初対面に際し、「近代建築とは何か?」と問われ、極度の緊張の中で辛うじて応えた結果、その後のインタビューを許されたという。そして、前川國男を社会的状況と建築家の職能について常に考え続けた建築家であると位置づける。
DOCOMOMO JAPANメンバーとして京都会館の選出に一役を担った石田潤一郎氏は、「岡崎地区と京都会館」なるテーマのもと、岡崎という場所の歴史的背景を考慮しつつ、京都会館の意義について語る。岡崎という場所で、閉じるべきものを如何に開くかが考えられていると京都会館を評価し、一般人がふらっと中庭に出入りできるのが良いとする。そして、若干無理があるようにも思うが、京都会館における日本建築に通ずる要素を幾つか指摘。
大学2回生の設計課題で京都会館の水彩スケッチを(半ば強制的に)描いた岸和郎氏は、前川建築との出会いは否定的であったとしながら、その後の建築経験を積む中で、京都会館を含む前川建築の良さを自覚するようになる。そして、各時代を代表する建築家により進化し続けるMoMAを例に挙げつつ、美術品のようにそのまま保存するのではなく、新しい時代の要請に応えながら、進化・利用されていくのが理想と強調する。
最晩年に前川事務所に勤務した横内敏人氏は、大学卒業後すぐにシベリア鉄道に乗り込みコルビュジェの元へ向かい、さらには最晩年にもオープンコンペに参加し続けた前川國男氏の壮絶な生き様についての印象を語り、前川國男は市民のための建築を目指し続けたことを改めて実感する。
シンポジウムの後、研究室で年末開催予定の展覧会に向けて京都会館の模型を制作中の松隈洋氏の案内のもと、建物見学。ホールやロビーのみならず、普段見ることのできない楽屋裏や屋上まで解説付で見学することができた。プレキャストコンクリート製の造形的な軒先や、屋上塔屋のレンガ積、外部と内部の連続性など、非常に興味深い点は多い。
個人的には前川國男や丹下健三に代表される、いわゆる戦後モダニズムと言われる作品は嫌いではない。デザイン的な良し悪しについては各人思うところがあるだろうが、当時の時代性を反映する設計者の意志が強く明確に感じられるところは評価したい。
それにしても、この京都会館、前川國男自身が最も忌み嫌っていた帝冠様式の建物(京都市美術館別館)に隣接しているのは何とも皮肉な・・・
南立面
プレキャストコンクリートの階段手摺

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