興味を持った分野のことをもっと知りたいと思って調べてゆくと、最初にぶつかる疑問がその分野の専門用語である。例えば「カヌーとカヤック」。結論から先に言えば「どちらでもOK」となる。
厳密には「カヌー/ Canoe 」と「カヤック/ Kayak」は英語においては別の船である。カヌーには2種類あって、1つは北米のネイティブアメリカンを発祥とするものである。たくさんの荷物を積んで川や湖を移動するのに適した船として発達し、多人数乗りの大きな物は昔、部族間や侵略者との戦いにおいても使用された。カナディアンカヌーとも呼ばれる。
2つめのカヌーは南太平洋ポリネシアあたりを発祥とするもので、細い丸太をくり抜いた本体の片側に転覆防止の支えが付いたもの。一般には「アウトリガーカヌー」と呼ばれたりポリネシアンカヌーとも呼ばれる。
どちらのカヌーも片側だけにブレード(水掻き)が付いたパドルで漕ぐ。
対して「カヤック/ Kayak」はグリーンランドやアリューシャンなどの北極圏ネイティブ(イヌイット)の狩猟船が起源となるものである。

両側にブレード(水掻き)が付いたパドルで漕ぐ。これらから派生した物のひとつで、川の急流を漕ぐのに適した形状へと変化した物もある。
英語に対してドイツではカヌーもカヤックもひっくるめて「Kanu /カヌー」と呼ばれる。1920年頃にドイツのクレッパー博士が折畳んで人力で運搬できる「Kanu」を発明し、ベルリンオリンピック後に日本に持ち込まれた。これを元に日本でもレジャー用として研究され、次第に日本のレジャーカヌーとして発展してきた。このことからも解るように、ドイツと同じように日本ではカヌーといえばカヌーもカヤックもひっくるめた総称として現在も使用されている。
繰り返しになるが、どちらでもいいのである。

Happy paddling !


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