草苑は聖蹟桜ケ丘の駅前のアスファルトの中に
忽然と現われた森のように思えた。
末森樹(すえもりたつる)さんのギターのオリジナル曲
「カムバックサーモン」は森の中を流れる川をイメージさせた。
そして続いて、森の中で響くバラフォンの音は、
おおかみの声を呼び覚まし、楯岡真弓さんの
独り語り「雪のにおい」は
半ばおごそかに、半ば激しく始まった。
この「雪のにおい」は年老いたオスおおかみと
若いメスおおかみの恋の物語だ。
お互いを思い合う二匹であったが、年の差に悩む二匹でもあった。
やがて、思い通りの年令になれる花の実を求めてオスおおかみは
森をさまよい、花の実を見つけて若返る。
マイミクの海ふみこさん原作の物語は悲しい結末を
迎えるが、老いと恋を真っすぐに見つめた物語は
不思議な感動を心の中に残してくれる。
若くなってメスおおかみのところに戻るオスおおかみは、
目の前に30才年老いたメスおおかみを見つける。
メスおおかみも花の実を見つけて食べたのだった。
茫然とする二匹を雪がやさしく包む。
雪のイメージはクリスタルボールで演出した。
楯岡真弓さんの熱演は、熱い拍手の中で幕を閉じた。
楯岡真弓さんの熱演を受けた中川五郎さんの歌は
新曲2曲を含む、いつもにも増したスマートで
エネルギーに溢れたライブだった。
中川五郎さんのエネルギーに溢れたライブは、
ほぼ終演予定時間を20分オーバーした。
間違いなく草苑は聖蹟桜ケ丘の駅前のアスファルト
の中に忽然と現われた森だった。
終演後の打ち上げも森の中のピクニックのようだった。
パスタとピザ、そして鰹のタタキの美味しかった事も
忘れられない。
画像は、草苑の森からのワンショット!


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