ダイナースクラブ。
最初のクレジットカードを発行した‘由緒正しい’カード会社……だった。日本国内では、富士銀行・日本交通公社(JTB)などが出資し運営していたが、現在では外資のシティパンクの傘下である。
入会資格に、今時、
・ 勤続10年以上の役職者または10年以上の事業経営者
・ 33歳以上
・ 自家保有
……などという条件を掲げている……と思ったら、最近のWebPageからは消えていた。一応「所定の審査があります」などと書かれてはいるが。
現実問題として、最近ではこの資格基準も相当緩やかに運用されていたようで、1つくらい外れていても審査OKということがほとんど。さすがに全部外れていると、ちょっと難しいようだが。
まぁ、私のような人間(一応、上記要件はどうにか満たしていそうだが、所持クレカが20枚以上と、クレカの審査で嫌われる‘多重’申込気味である)でも持っているくらいだから、年齢さえクリアしていればどうにかなるとは思うのだが。
そんなこんなで‘格式’を重んじているのか、ゴールドカードではないのに、プロパーの一般カードで年会費が15,750円。ただし、それだけにサービス面では他社のゴールドカード(年会費の相場は10,500円、最近では6千円クラスや無料のモノもある)以上とされている。
詳しいことは、ダイナースクラブのページでも見て戴くか、ダイナースクラブで検索をかければ、色々と出てくるだろうから省略する。
我々‘旅好きな一般庶民’からすれば、ゴールドカードが最も活躍するのは、限度額が大きいことによる高額決済時の利便性と‘空港ラウンジサービス’だろうか、と思う。
今回は、その後者の話題。
筆者は、国内ではJL(日本航空)とNH(全日空)のマイレージ上級会員資格を持っている。このため、空港で出発時刻まで間がある時は、航空会社のラウンジを利用することができる。何もカード会社のラウンジサービスを利用しなくても……とも思えるが、そうでもない。
国内の航空会社ラウンジが設置されているのは、主要空港に限られている。現在では、JLもNHも共通で、以下の空港だけだ。
CTS(札幌新千歳)
SDJ(仙台)
NRT(成田国際)
HND(東京国際・羽田)
KMQ(小松)
NGO(中部国際)
ITM(大阪国際・伊丹)
KIX(関西国際)
HIJ(広島)
MYJ(松山)
FUK(福岡)
KMJ(熊本)
KMI(宮崎)
KOJ(鹿児島)
OKA(沖縄那覇)
九州に多いが、その他は原則1地方1空港。東京・大阪が国内線と国際線でメイン空港が分かれるため2つ、という感じである。九州に多いのは何故だかわからないが、JD(日本エアシステム)が健在の時代からの流れでは、とも思える。そう言えば、一昨年までは、旧JDの流れをくむJLだけはNGS(長崎)とOIT(大分)にもラウンジがあった(現在は廃止)。
これらの空港にはもちろん、それ以外の空港にもカード会社のラウンジは多数ある。
HKD(函館)
AOJ(青森)
AXT(秋田)
KIJ(新潟)
TOY(富山)
YGJ(米子)
OKJ(岡山)
UBJ(山口宇部)
TKS(徳島)
TAK(高松)
KKJ(北九州)
航空会社ラウンジのある空港には、原則としてカード会社のラウンジもある。ただし、KMI(宮崎)は、航空会社ラウンジがあるのにカード会社のラウンジがない例外である。
両者を合わせれば、大抵の空港ではラウンジサービスが受けられる。勿論、KMI以外ならカード会社のラウンジで事足りるから、航空会社の上級会員にならずとも……なのだが、カード会社のラウンジは通常、セキュリティ・エリア外にあるため、時間的な余裕という面では航空会社ラウンジには敵わない。
例外としては、HNDで、セキュリティ・エリア内にもカード会社のラウンジがある。元々、第1ターミナルしかなかった時代に、航空会社ラウンジとして使っていたスペースを、第2ターミナルオープン・NHの移転に合わせてカード会社のラウンジとしてリニューアルしたモノであるので、スペース、ロケーション、窓からの眺望など、他空港のカード会社ラウンジの比ではない。
さて、このカード会社のラウンジであるが、カード会社によって利用できる空港に違いがあったりする。
これまで、ダイナースクラブでは、比較的利用できる空港が少なかったのだが、今年から一気にほとんど(多分全て)の空港で使用可能となった。これまでは、CTS,SDJ,NRT,HND,KIJ,NGO,ITM,KIX,MYJ,KMJ,OKAくらいしか使えなかった筈である。
しかし、ダイナースクラブには、他に勝る特典として、HNDを除いて「同行者2名まで無料で利用可能」というのがあったのである。空港ラウンジサービスの利用可能空港の拡大の代わりに、同行者サービスが廃止された。どちらが会員にとってメリットがあったのだろうか。
私自身、最も利用することが多いのはHNDだが、HNDは同行者は有料だった。この点、未だ利用できる空港数は若干少ないが、HNDも含めて同行者1名を無料としたAMEXが有利かも知れない。AMEXも一般カードなら年会費12,600円で、ダイナースより安い。
航空会社ラウンジサービスも、基本的に同行1名は無償で利用できるので、個人的には同行2名までOKのダイナースの特典は、意外に利用機会があったのだが……。今後は、航空会社ラウンジにシフトするのだろうか……(^_^;

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