クレジットカードの券面(カードフェイス)を見ていると、結構色々なことが書いてある。
勿論、カードそのものに予め印刷されている事柄もそうだが、所謂‘エンボス’として刻印されている数字や文字、記号などは、それぞれのカード(会員ごと)に固有の情報である。
最近では、Suica一体型のクレカは、IC通信時の電波干渉を押さえるためにエンボスレスになっていたりするが、その場合も、券面に黒色で文字などが印字されている。個人的には、Edyがエンボス有りでも問題ないことを考えれば、Suicaはどうして駄目なのだろうか、と疑問であるが……(-_-; Suicaは、自動改札という‘エラーが起きると後がつっかえる’という場面で使用されることから、エラーの発生率を極力抑えなければならなかった、ということなのだろうか。
閑話休題、そのエンボスされた情報のうち、一際大きな文字で刻印されているのが、通常4桁×4の16桁(アメックスは15桁、ダイナースは14桁)で表示されるカード(会員)番号である。
このカード番号の上4〜6桁で、カードの国際ブランドと発行会社などがわかるようになっている。特に、国際ブランドについては、最初の1〜2桁で分類できて、‘35’で始まればJCB、‘36’がダイナース、‘37’はアメックス、‘4’で始まるものはすべてVISA、‘5’で始まればMasterCardである。
その他、カード番号より下には、2回りくらい小さな文字で色々刻印されている(3行以内)。これは、イシュア(カード発行会社)が単独で発行する所謂‘プロパーカード’のほうが、提携カードより印字事項が少ない。逆に言えば、提携カードならば、提携先の会員番号などの情報がここに出てくる、ということなのだ。
勿論、提携先の情報だけではなく、ここには会員氏名やカードの有効期限といった、基本的な情報も入る。その他、イシュアを表す文字列(‘DC’とか‘UC’みたいなストレートなものや、例えばオリコなら‘OFC’、ニコスは‘NS’など)や記号、国際ブランドを表す記号も刻印される場合がある。
なので、プロパーカードであっても、2行程度は何かしら刻印されている。
そして、その中に‘Member Since’という項目があるカードが存在する。これはたまに日本語併記されている‘会員資格取得年’の意味である。
この‘Member Since’が刻印されているのは、一部ゴールドカードなどの上級カードが中心だ……と、思っていた。
事実、手持ちのクレジットカードを見てみると、ゴールド(相当)のカードとか、JGC(JALグローバルクラブ)のカードくらいであった。
ところが、最近作ったイオンカード。年間100万円決済すれば、会費無料のゴールドカードにインビテーションが来る、という噂なので、試しに作ったら極度額10万円……(-_-; これでは、どうやっても年に100万円を使うことはできないが、それはさておき年会費無料にもかかわらず、何故か‘Member Since’の記載がある。こんなケースは初めてだった。
そこで、ちょっと調べてみた。
どんなカードに‘Member Since’が印字されているか、である。
で、私なりの結論。
所謂‘T&E(Travel and Entertainment)カード’と言われるカードを中心に刻印される……らしい。
T&Eカードとは、その名の通り、旅や娯楽が目的の中心となっている、ということらしい。確かに、そこに分類されるカードの特典は、そのようなモノが多い。
ちなみに、本来カード番号が‘3’で始まるカードは、国際的にこの‘T&Eカード’とされている。アメックスやダイナースはともかく、JCBはどうなのだろう……。まぁ、本体JCBはその気がない訳でもなさそうだけれど、提携カードは如何なものか。
結局、私が調べられる範囲では次のような結果となった。なお、‘Member Since’の表記には2種類あり、西暦4桁で表記するモノと、西暦の下2桁だけのモノがある。括弧内は、その桁数を意味する。
[Member Sinceが刻印されるクレジットカード(イシュア)]
JCBゴールド以上(4)
ダイナースクラブ(シティカード)(2)
アメリカンエキスプレス(2)
JALカードJGC(2)
イオンカード(一部提携除く)(4)
アメックスでも、例えばセゾンが発行するセゾン・アメリカンエキスプレスカードなどの提携カードは、これが印字されない。
また、JALカードについては、やや特殊で、これはJGC会員になった年が刻印される。JALカード会員になった年ではない。
で、これらのうち複数が重なった場合であるが、ここで考えられるのは、JALカードと他社。JALカードは、それ自体が単体でのカード会社であるが、国際ブランドの発行権は持っておらず、提携カード会社の国際ブランドに乗る形になっている。なので、JALカードは基本的に、JALカードと提携カード会社の発行するクレジットカードの2枚が一体化したようなカードで、限度額もそれぞれに設定されるという、特殊な形態である。なお、以前は国際ブランドのないJALカードの‘ハウスカード’も発行されていて、未だにこれを継続している人もいる。
ちなみに一方、ANAカードは似て非なるモノで、ANAカードはカード会社ではなく、提携カード会社が発行するカードの提携先にANAがなっている、という形。
なので、JALカードはイシュアであるが、ANAカードはイシュアではない。
なので、JALカードやANAカードの場合の‘Member Since’は、かなりややこしい。
まずはJALカード。
JGCであれば、CLUB-AカードでもCLUB-Aゴールドでも、JGC会員になった年が2桁で刻印される。一方、非JGCの場合、CLUB-Aゴールドであっても原則刻印はない。
提携先としてのカード会社(イシュア)のうち、JCBとダイナースは、‘Member Since’の刻印を入れる会社であるが、JCBは刻印なし。ダイナースは、プロパーでは最下段の左端に刻印されるモノが、中段の右側に刻印される。非JGCのJALカードで‘Member Since’が刻印されるのは、ダイナースだけである。
逆にJGC会員であれば、提携カード会社では刻印されないDC(含TOP&ClubQ)でも、JGC会員となった年が刻印される。
ちなみにANAカード。
これは、ANAカードとしての取扱いではなく、提携カード会社の扱いなので、SFCとか何とかに関係なく、ダイナースとJCBゴールドの場合にだけ刻印される。ダイナースはJALカードと同じような刻印だが、JCBゴールドの場合はプロパー同様、西暦4桁で刻印される。
ということで、3で始まらなくても、JALカードは‘T&Eカード’の性格を持ち合わせているのか、という気がする。考えてみれば、航空会社系カード会社なので、ある意味当然の指向なのかも知れない。
JALカードにおける‘ゴールドカード’としての位置付けが、私はずっとCLUB-Aだと思っていたが、この‘Member Since’を見た時に、JGCがJALカードのゴールドカードのような意味合いなのだろうと感じた。
ちなみに、CLUB-AとCLUB-Aゴールドの違いは、提携カード会社側での扱いがゴールドカードかどうか、という部分がほとんどであって(ANAカードのワイドとワイドゴールドも同様)、JALカードとしての大きな差異はない。
入会年を気にする組織って、如何なものか、という気もしないでもないけれど、同期入社の会があったりする訳だから、強ち否定もできない。
JGCにおけるランク付けは、この‘Member Since’ではなく、‘亀タグ’とかでされている気もするし……(^_^;
‘亀タグ’については、またいずれ。
けっして‘KAT-TUN’の‘亀梨と田口’ではない(実際検索すると、結構ヒットするので笑えるが)ので、念のため。

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