●平藤 淳のブログです。「明るく・楽しく・元気よく!!」をモットーに岩手のスポーツを応援します●
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準優勝をご覧になったことがありますか。*****
最近では、9月の全米オープンテニスでの錦織圭選手が思い浮かびます。きっと優勝するだろうと期待して、テレビやネットで試合経過を見守りながら、応援していた方々がたくさんいらっしゃったでしょう。準優勝になったことを知った時、皆さんは、どうお感じになったでしょうか。ちょっと、思い出してみてください。
今年の八月に全国高等学校総合体育大会(インターハイ)のカヌー競技大会が、山梨県富士河口湖町の精進湖カヌー競技場で行われました。私が勤めている岩手県立不来方(こずかた)高校の選手が、たくさん出場していましたので、私も応援に行ってきました。
多くのレースを見ましたが、女子のカヤックペア五百メートル種目の決勝についてお話しします。決勝は九艇で行われ、不来方高校の熊谷静紅・五十嵐結衣ペアは、準決勝を四番目のタイムで通過し、ど真ん中の第五レーンで決勝に臨みました。
ゴールの真横は、順位判定やタイム計測の重要な場所ですので、私たち観客は入ることができません。斜めからゴールラインを見ますので、競ったレースになると順位が見かけとは違ったりしています。
女子カヤックペアの決勝も、競りました。五艇ほどがかたまってゴールに入りました。不来方高校ペアは、斜めから見ている私には、四着か三着…と見えました。
正式な順位は、観客が集まっている「大テント」の中にあるモニターに表示されるのですが、決勝ではレースに使ったすべての艇の検査が行われないと順位が確定しないため、順位が、なかなか発表になりません。モニターの前で待っていると、面識のある大学のカヌー部の監督さんが寄ってきて(不来方、三位かな、四位かな、メダルが欲しいよね)と、私の見立てと、そして、私の気持ちと同じことをおっしゃいました。
一〇分ぐらいたった、と、私には感じられましたが、やっと、モニターに決勝の結果が映し出されました。
「二位 不来方高校」
飛び上がって喜びました。銀メダルです。大学の監督さんも祝福の握手をしてくださいました。大喜びで、選手の控えテントに戻ってみんなと一緒に、ニコニコしていました。
しばらくすると、誰かが印刷された決勝記録を持ってきました。
なんと、一位との差は、たったの0.372秒しかありません。それを知った瞬間、さっきまでの嬉しさに(勝てたのかも)という、大きな悔しさが同居するのでした。
私のような立場の者でも、こんな悔しい気持ちになるのですから、選手やチームメイトや指導者やご家族の方々には、もっと激しい心の変化があるのだろうと想像します。もちろん、全国大会準優勝は、とても素晴らしい成績です。彼女たちは、この成績により県教育委員会からも表彰されたほどです。誇るべきものです。でも、悔しい順位です。
その日の全レースが終了して、記念写真を撮っている選手たちの背後に見える、精進湖越しの富士山を見ながら、監督の先生は、こう呟きました。
「遠いなぁ。日本一はすぐそこに見えているのに、今回も、手が届かなかったなぁ。遠いなぁ。」
負けて悔いなし、という言葉は、もしかすると、意識の低い人たちが、言い訳のために使うものなのかもしれないなあ、という気持ちになった準優勝でした。
ああ、日本一にさせたい。
「長崎スポーツ博覧会」〜目指せ!未来のアスリート!夢への挑戦〜に柔道バルセロナ五輪72キロ超級銅メダリストの坂上洋子さんが来館されました。びっくりして、