昨日の朝、衛星放送で、ホルンアンサンブルの演奏が放映されていたようでした。
なんと、その演奏は、世界最高のオーケストラと名高い『ベルリン・フィルハーモニー』と、同じく世界最高峰のオーケストラ『ウィーン・フィルハーモニー』のホルンセクションから主席奏者を含め、四名づつ計八人で構成されたものであり、演奏会の様子をそのままに放映されたものでありました。
生で聞くことができなかった、というのはいささか残念ではありましたが、後日にこうして改めてその様子が味わえるというのは…これもまた、便利な世の中になったものです。
さて、ベルリンフィルと言えば、先ほども述べましたように、世界最高のオーケストラとして名高く、奏者の技術もその音楽性も超が付く一流。『帝王』と冠されるほど、音楽界に様々な意味で君臨した指揮者、『ヘルベルト・フォン・カラヤン』が長く在任していたことでも有名でしょう。
重厚なサウンドと綿密な過程を経て作り上げられる深い音楽表現は、多くの音楽ファンを唸らせてやみません。
ウィーンフィルも、同じく世界最高のオーケストラの一つと評されていますが、その音楽はどこの楽団よりも伝統を重んじるものであり、また、とことん豊かな音色と音楽表現を突き詰めていることも、その大きな特徴の一つと言えましょう。歴史は古く、多くの名だたる指揮者が、その音楽監督を任されていたと言います。その中には先のカラヤンも、また、近代交響曲においても非常に大きな躍進を促した『グスタフ・マーラー』も、この音楽監督を努めていたと言います。
そして、自分にとって、ホルン奏者にとっての両者の大きな相違点と言いますと、両者のホルンセクションが、各々違う種類の楽器を使用しているということでありましょう。
前者は近代のホルン、すなわち『ロータリーブァルブによる管長可変装置』によるホルン。改良が進み、今日ではその機構も複雑化の道をたどり、得意な音域、その管の長さの音色の違いが顕著な管を重ねた『ダブル・ホルン』(なかにはもっと複雑化されたトリプル・ホルン、なるものも…。ちなみに自分もダブル)をみなが使用しています。製作メーカーによる違いはありますが、みな同じ機構によるホルンを使用しています。
そして後者の場合はと申しますと…機構的にはある意味完成ではあるけれども、一般に広まっているわけではない『ピストンブァルブ(に近い)機構による管長可変装置』の付いた、管の長さが子来の楽器と変わらない(音の豊かさでは申し分無いが、正確な演奏を行うには、通常の何倍もの労力を要する)楽器を使用しており、この楽器を『ウィンナ・ホルン』と言います。
彼等は、この恐ろしく難しい楽器で音楽表現に努めているのです。余談ではありますが、自分も何度かこの楽器に挑戦をした事がありますが…結果は散々なものでありました。
リスクは高いが音色で非常に有利な位置に立つことのできる…まさに玄人にしか勧められない楽器でありましょう。
この、世界に誇るオーケストラのホルンセクションによるアンサンブル…。もう幾筆に表すこともかないません。録画してツメを折って永久保存版にしました。
やはりホルンは良いです。

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