高等学校卒業単位不足問題、これは所謂日本教育行政問題の縮図であると考える。
大体どこのニュースでも分かる事だが、一連の事柄には原因が付き纏い、
単位不足
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授業を行っていない
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授業をする必要が無い、という判断
(やらねばならぬが、他事を優先させようという意識)
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受験優先主義
『勉強しなくても良い』という意識の発生源
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受験に必要無い科目の存在
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学習指導要領と大学受験科目の差異
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大学受験科目の特定化
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ゆとり教育に於ける授業時間の削減と非受験科目授業発生、日本少子化による大学の生徒確保策
というようにどこも関連付けられる。
果たして受験科目だけが世の中必要なのだろうか。
答えは言わずもがなNO、であるが、受験科目の優先を論じる立場の言い分も分かる。
今の社会、なかんずくやはりガッコのベンキョが出来た人間が評価され、幾分か出世する。
それは先人らが作った慣習であり、そのように作られたからには、先人らはその当時の学校の勉強が出来たのだろう。
自分が出来る人間と選民的思想を持ち、その人間の立ち回りが上手く出来るように作られるものが慣習であり、制度なのだ。人間とはそういうものだ。
しかして今、こうして確立された慣習を抜本的に改革するには、自らがその世界のトップに近い存在とならなければならない。
今の制度はそう出来ている。
しかし、果たしてその意識を持ったままその世界に入ることが出来るか…
以下のある物語から、その自分の物悲しさを読み取って頂き、末句としたい。
−あるところに何とも形容しがたい物体が不時着してきた。
近くで遊んでいたこどもらが近寄ってみると、なかなか見たこともない生物が現れた。
その生物はこう言った
『私達は遠く宇宙の彼方からある星までのみちのりの間に乗り物が壊れ、ここに不時着してしまいました。修理には時間がかかります、どうかこの事を秘密にしておいてください』
こども達は素直に聞き入れ、あるものは言葉巧みにその場所に人が近づかないようにし、またあるものは隠れ家を作ってやりました。
数日が経ったあと、
『どうもありがとう!これでまた旅に出られる!君達にはとてもお世話になりました。なんでも願い事を言ってください、一つだけ叶えてあげましょう。』
『ホントに!?』
『すごい!何にしよう!』
相談した結果、こども達はこう言いました。
『それじゃあ…ぼく、今の大人たちをみておかしく思うんだ。平気で木を切って、嘘をついて、戦争をしてお金儲けの事ばかり考えて…だからさ、世の中の人がみんな嘘もつかないでお金の事ばかり考えないようにしてよ』
『分かりました。しかし私達は今は旅の途中ですから先を急がなければなりません。ですが、旅の帰り道に必ずここへ立ち寄り、その願い事を叶えてあげましょう。』
『ホント!?やったぁ!!約束だよ!』
−しばらくして−
『もうすぐあのこども達の願いを叶えて部隊が帰ってくるころですね』
『あぁ、実に気持ちの良いこども達だった。約束は守らねば…お、戻ってきたぞ。どうだった?』
『はい、みんなすっかり大人になっていて探すのに苦労しましたが、何とか全員探し出しました。ですが…』
『ん?どうした?』
『みんなが一様に口をそろえて言うのです。「あぁ、あの時の…。あんな約束はもう無かった事にしてくれたまえ。私は今の暮らしが気に入っているんだ」と、真ん丸に太った腹を宝石がやたらたくさん付いた手で撫でながら。』
−星新一ショート・ショートより−
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