前回
http://m.mixi.jp/view_diary.pl?&id=782622192&owner_id=16716785
角笛から始まり、モダンホルンに行き着いたホルン。その様々な魅力を見事に発揮した名曲は多い。
しかし、トリプルホルンなる楽器の研究、これから生まれる数々の名曲を考えるとホルンの歴史はまだまだ終わらない。言わば今がその荒波の過渡期なのかもしれない。
温故知新、古き名曲から新たなインスピレーションが湧く事もあるだろう。なので、ホルンにおける『一般的で聴きやすい』名曲を挙げてみる。コアな楽曲はまたいずれの機会に。
独奏曲・協奏曲
モーツァルト/ホルン協奏曲第一番から四番・ホルン五重奏曲
とにかく有名、秀逸な曲なので特筆するまでもない
お勧めはズェデニック・ティルシャル、デニス・ブレイン。
ヘルマン・バウマンのハンドホルンによる演奏は必聴
ベートーベン/ホルン・ソナタ
バルトホルンによる楽曲ではあるが、モーツァルトほどストップ音の使い方に長けてはいない点が非常に惜しまれる。しかし、隆々かつ流暢なフレーズが美しい
Fシングル管がよく合う曲なので、千葉馨、トムペックを推したい
ウェーバー/コンチェルティーノ
古来のハンドホルン奏者が如何に優れていたかを示す楽曲。イントロ、テーマ、五つのバリエーションからなる変奏曲で、超絶技巧に近いパッセージの連続はモダンホルンでも舌を巻く程である。
私のお勧めはペーター・ダム、ズェデニック・ティルシャル
シューマン/アダージョとアレグロ、
シューマンがモダンホルンのために描いた、恐らく現代に名を残す最古の作品。優美なアダージョと快活なアレグロは人気があり、オーボエやチェロなど他の楽器によっても奏される
私のお勧めはジョン・セルミナーロ
シューマン/四本のホルンと大オーケストラのためのコンチェルトシュトゥック
ホルンのアンサンブル能力とシューマンのフレージング能力を余すところ無く発揮した超一級品の作品。聴けば分かる!
ただし、ライブ演奏ではシューマンの無茶な楽器法のお陰で奏者のスタミナがもたず、後半聴くに耐えられなくなる演奏によく出会う。
ズェデニック兄弟、ペーター・ダムのアムステルダムカルテット、アメリカホルン四重奏団など、名だたるメンバーの演奏のみ音源として残されているが、音源として、映像として最高のライブ演奏はシュテファン・ドール率いるベルリン・フィル、バレンボイムの演奏である(某国営放送局の映像は…だった)
管弦楽曲は、ハバーヌ、くるみ割り、ティルオイレン等々数が多過ぎるので割愛するが、これだけは言える
素晴らしい楽曲はホルンが素晴らしい楽曲であり、楽団もそれにしかりである。しかしてホルンだけが立派であっても楽曲が素晴らしいとは限らないようにその逆は成立しない。
好きな曲を聴けば、それがホルンの素晴らしい楽曲なのである。

0