機会があり、他の音楽家のレッスンの様子を実際聞かさせて頂きました。
レッスンをする音楽家ならわかるかもしれませんが、他の人間がどんなレッスンをするかは物凄く気になるものです。自分と、自分の一人、あるいは数人の師匠から受けたレッスンしか内容を知らないものだと思うためです。
私が個人的に思うに、レッスンには大別して三パターンがあると思われます。
・楽曲を通しての基礎能力向上タイプ
一曲の平易な、あるいは奏者の実力よりも些少高度な楽曲を提示し、その中にある発想、表現技法を取り上げてその都度指摘し、その部分になったら練習を始めるタイプです。
類似として、奏者が予め練習してきた楽曲の表現を改善するタイプがあります。
・奏者の質問に答え、その疑問を解決するためのレッスン
奏者に具体的な疑問を抱かせ、その改善を限られたレッスン時間で行い続けるレッスンです。
私と一番の師匠はこのやり方をとっています。デメリットとして、出来ないことが分からない、という奏者に対してはいささか戸惑ってしまうことがあげられます。奏者の向上心が問われるタイプです。
・レッスンの度に課題を設け、その出来具合を判断して新たな課題を考えるタイプ
一番にあげた例に似ていますが、毎回、もしくは少ない時間で課題が変わることに違いがあります。
周期的に通うことの出来る奏者の場合、最も効率の良いタイプだと思います。
この三パターンを中心に、あるいは複合的にレッスンは行われていると思います。初対面の場合は指導者の方から、これは出来る?こんな演奏はどう?と意見を仰ぐこともありますが、それははじめ数回だと思います。
レッスンは非常に大切なもので、その指導者の音楽性と、先に挙げたパターンが自分と合致する方を選ぶことが得策だと思われます。

0