徳島と和歌山を結ぶ南海フェリーは、4月9日から上下10便を9便に減便することを発表しました。
私が子供の時には、徳島本線のSLが牽引した客車に揺られ、徳島駅で小松島線に乗り換え、終点の小松島港から接続した南海フェリーで和歌山へ行き、難波行きの南海電車で大阪へ向かったものです。
当時南海フェリーは、小松島港と和歌山を結んでおり、待合室では、おやつ代わりに小松島名物の「竹輪」をよく食べました。
大鳴門橋と明石海峡大橋が完成して、それまで徳島と京阪神を結んでいた徳島阪神フェリーなどが廃止になったにもかかわらず、南海フェリーは試行錯誤の中、航路を継続して四国の経済に大きく貢献しています。
私は、東京へ車で行くときには、間違いなく南海フェリーを利用し、帰りはオーシャンフェリーを使います。
今回1便減便になることで年間5千万円の収益向上が見込まれるそうで、企業としては収益の確保が第一目標であり、充分にそのことは理解できます。
しかしながらここで問題なのは、指をくわえて静観している徳島県の対応です。
徳島という人口わずか80万人の弱小県であるにもかかわらず、かつてはスカイマークエアラインズが東京へ向かい、徳島阪神フェリーと南海フェリー(南海四国ライン)が大阪へ、オーシャン東九フェリーが西日本で唯一の東京航路を結んでいます。
しかし、スカイマークエアラインズが利用率の低迷で撤退し、徳島阪神フェリーが廃止、南海フェリーも徐々に便数を削減している状況にあります。
日本航空はエアシステムの名残で、東京便を運行していますが、利用率は毎年減少しているそうで、収益が悪化している日本航空としては、徳島便の減便ももはや時間の問題です。
徳島は人口の割にホテルなどの宿泊施設が多く、また会場を簡単に抑えることが出来るメリットがあり、東京と北九州からの直行フェリー、東京、名古屋、福岡からの航空便、京阪神からわずか2時間程度の高速バスなど交通の便の良さがあって、様々な全国大会が開催される街なのです。
このように計り知れない経済効果を得るためにも、南海フェリーと日本航空東京便の便数の確保、そして最も大切なのがオーシャン東九フェリー徳島寄港の確保だと思っています。
徳島県はこのことの重要性をよく認識した上で、意味のないハコモノなど無駄金を使うのではなく、日本有数の過疎県の経済確保のために、このことに全力を尽くす必要があると感じています。