先日の高校野球で、佐賀県の佐賀北高校が強豪校を次々と倒し、見事に優勝しました。
おめでとうございます。
全員が佐賀県内の中学校出身で、特待生問題は全く関係のない県立高校が優勝したことで、今後の高校野球の勢力図が変わるかもしれません。
それまでは1回戦を勝つことも難しかった北海道や東北の高校が、ベスト4に入ったり優勝したりすること自体、大変な違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか。
確かにそれまでも優秀な生徒は甲子園に出場できる高校に進学するのが当然という時代があり、徳島県でも池田高校の蔦監督に憧れて県内から優秀な生徒が集まったものです。
甲子園に出場すれば、学校の知名度も上がるし、爽やかなイメージが出来ることは間違いありません。
そのため、私立高校では喉から手が出るほどに優秀な生徒が欲しいわけです。
青森山田高校は、全国大会に最も出やすい県を選んで高校を設立したと聞いたことがあります。
10年ほど前に、茨城県の強豪校の野球部監督と話をしたことがありますが、当時は、テレビ、冷蔵庫、電話、パソコン付きの完全個室の寮を優秀な生徒に提供して、学費と食費は免除、それで来てくれるかどうか分からない、と言う厳しい状況にあるという話でした。
高校野球の本質は、地元出身の生徒が甲子園という檜舞台で活躍することに意義があるのです。
商店街の酒屋の兄ちゃんが投げ、八百屋の息子がホームランを打つからこそ、地元が盛り上がって感動するのです。
他の県から来たエリートが投げて打って、地元が盛り上がるはずがありません。
そこで、親の転勤を伴わない単身での他府県出身者の甲子園出場は、2名までとかに限定するべきではないでしょうか。
そうしないと、全員が東京出身の駒大苫小牧高校と全員が大阪出身の青森山田高校の津軽海峡決戦が実現する日も近いと思います。
ところで、今回優勝を惜しくも逃した広島広陵高校の監督が、審判の判定を批判していました。
佐賀北高校がとても爽やかだったのに対し、広陵高校のイメージが大きくダウンすると共に、このような監督が高校野球の指導をしていること自体、情けないことだと思います。
勝利の女神が佐賀北高校に微笑んだのも納得のいく話です。