私の学生時代には旅と言えば列車での移動であり、それ以外の交通手段は考えたこともありませんでした。
北海道ワイド周遊券を購入し、大阪から急行「きたぐに」で青森まで行こうか、それとも奮発して特急「白鳥」にしようか、東京を経由して「八甲田」も良いなあとか、そういう選択でした。
今月、全国のJRバスを中心として、「高速バス乗り放題切符」が発売されています。
東北と北海道は繋がっていないものの、ほぼ全国を高速バスで網羅しており、6日間乗り放題で料金は2万円です。
徳島から東京までが1万円ですから、往復するだけで元が取れる計算になります。(往復割引は除外して)
車中6泊はかなりしんどい物がありますが、夜行での移動は3泊くらいにして、全国をこの切符一枚で旅をするのも面白いでしょう。
「とほ」の今年度ハンドブックにコラムがありましたが、高速バスは確かに運転手さんとの一体感が存在します。
道が曲がっていれば、自分も同じように心の中でハンドルを切っているし、乱暴な割り込みをする車があれば、「危ないなあ」と思うし。
それで、バスを下車するときにさり気なく「(運転してもらって)有り難うございました」と言ってしまいます。
列車では運転士と話をすることはなく、このようなことはまずあり得ません。
しかも無愛想な車掌が検札に来るくらいのものです。(昔の話です)
私が乗ったことのある長距離高速バスは、大阪から仙台、青森から東京、東京から徳島とこの程度ですが、私はどうもバスの横揺れに弱く、なかなか夜に眠ることが出来ません。
しかも今どこを走っているのか、カーテンが閉められているために外を見ることもできないし、のぞき見をしても駅があるわけでもないし、よく分かりません。
ただ、昼行バスは景色が見えるので結構面白く、特に地方都市を結んでいる徳島−広島とか、徳島−奈良とかは、何故か乗ってみたくなります。
高速バスでどこかの町にふらりと出掛け、名物のスローフードでも食べて、観光をして、また戻ってくる旅も良いかもしれません。
私がそのように思う背景には、鉄道の旅が昔ほど魅力が無くなったからなのでしょうけど。