かつて、大阪球場を本拠地にした南海ホークスと平和台球場の西鉄ライオンズには、根強いファンが多くいました。
そのホークスを率いて、ライオンズの博多に乗り込んだのがダイエーホークスです。
巨人の監督を水原に譲った三原は、西鉄の野武士集団を率いて、56年から巨人を3年連続で下し、日本一になっています。
さて、巨人でも監督として優秀な成績を収めた王監督ですが、長島に監督を譲り、巨人を追われるようにして三原と同じ九州のダイエーホークスの監督に就任したのが、95年のことです。
男の人生には、運命的なものを強く感じてしまいます。
当時、九州でのダイエーはまだ新しい球団であり、ホークスファンもライオンズファンにしてもアンチジャイアンツが沢山いる中での、巨人OBの監督就任でした。
当初3年間は低迷期が続き、「オーオー、三振オー」と言うヤジや、投手のローテーションなどでもコーチの意見を全く聞かないワンマン監督で、コーチからも選手からも敬遠されていた感じがしました。
武田が日本ハムへ、そしてエース工藤が巨人にFA移籍したことでもそのことが分かります。
その苦しい時期を乗り越えた王監督は、選手を大切にすることを学び、チーム作りに努力してきました。
03年の日本シリーズは阪神が相手で、2連勝の後3連敗し、そして逆転の2連勝で見事日本一に輝きました。
阪神ファンとしては悔しいシリーズでしたが、福岡に愛されている王監督の存在はとても羨ましく思えました。
選手が活躍すると、必ず拍手する姿はとても印象的で、来年からはその姿を見られないのかと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。
しかし、日本球界にとって偉大な選手であると同時に偉大な人物でもある王監督には、のんびりと静養していただいて、機会があればWBCの総監督やアドバイザーとして、その力を発揮していただきたいと思います。
平成7年に福岡ドームに行ったきりなので、来年あたりは交流戦で行きたいと思っていました。
新しく就任する秋山監督の元、王監督のためにも来期のホークスの活躍を期待したいと思います。