NHKスペシャルの「セーフティネットクライシス2 非正規の社会保障」を見ました。
世界同時株安、円高が進行する状況に置いて、派遣労働者の解雇が問題になっており、また正社員であっても解雇される会社も出てきました。
派遣労働者は雇用形態が複雑で、解雇された場合は十分な社会保障を受けられないこともあり、健康保険証がないと病院に通うこともできません。
派遣労働者が解雇されれば収入はもちろんなくなり、住む家がない人もいて、毛布一枚を抱えて公園で野宿する人もいます。
以前は職業安定法で派遣事業は禁止されていたのですが、世界同時株安のため、大きな問題となってしまいました。
国がおかした大きな責任が2つあると私は考えます。
まず一つは、派遣労働者が何らかの理由で解雇された場合の保証をきちんと取っておかなかったこと。
十分な雇用保険に加入する義務、解雇されても社会保障を受けられる制度、これらを確立しないで見切り発車したから、様々な問題が発生しているのです。
薬害エイズ問題と似たところがあります。
もう一つは、日本経済はバブル崩壊後の低迷期からやっと立ち直りかけたところで、株価も順調に推移し、景気が良くなると誰もが予想していました。
しかし、アメリカの住宅ローンの焦げ付きに端を発したリーマンブラザーズの倒産を皮切りに、日経平均株価は8000円を割り込む展開となってしまいました。
世界同時株安をくい止めることは困難だったかもしれませんが、日本銀行が100円以上の円高を認めないとする強硬な姿勢を保っていれば、これほどまでに外国人投資家のドル売りが進まなかったのではないでしょうか。
協調介入が難しいのであれば、単独介入でも市場には大きな影響が出るものであり、投資家は警戒して、世界中の株が売られることはなかったと思います。
日本が世界中の国から試されている状況にある中で、一国の首相は漢字を読み間違えたり、消費税値上げの時期をフライングしてみたり、まあ平和なものです。
国民の痛みがわかる政治家でなければ、良い政治は出来ないし、国が良くなるはずがありません。
今後、失業率の上昇、景気の悪化、企業倒産、個人破産などが相次ぎ、法人税も極端に低下する状況で、かなり多くの地方自治体の倒産も予想されます。
莫大な借金を抱える日本で、国債が紙切れ同然になる日が来ても不思議ではないと考えます。
その時には再び1ドル360円の時代が来るのでしょうか。