お隣の上板町にある体験型観光施設「技の館」が3月末で休館することになりました。
98年にオープンして、それ以来赤字が続き、一昨年は500万円強の赤字で、町はこれ以上維持するだけの余力がないと判断したそうです。
先日の板野町、上板町、阿波市を結ぶ無料の観光バス「とらバス」も廃止されたばかりで、寂しい限りです。
私も技の館に行って「藍染め体験」をしたことがありますが、見事なオリジナルの藍染めハンカチが廉価で出来上がり、感動したものです。
しかし、観光地ではないこと、観光客にとっては足がないこと、施設の閑散さ、が問題かなと思っていました。
道しるべでも今までかなりのお客さんを紹介したのですが、やはり観光場所としての印象が弱かったことは否めません。
四国霊場7番の十楽寺から8番の熊谷寺へ行く遍路道沿いにあるのですが、お遍路さんは藍染めはしなかったのでしょう。
すぐ前で毎週日曜日に開催されている「上板日曜市」もよく行きますが、こちらも寂しい感じがします。
結局、箱もの施設を作っても、その後の営業体制や宣伝が絶対に必要であり、技の館もかつては職員が15名いたそうです。
私なら、若い女性を館長にして彼女の意見を採り入れた経営をし、職員はあと一人のみ、他の掃除や施設管理などはアルバイトで対応すれば充分かな、と思いますが。
また、観光客で技の館を知っている人、又は技の館を目当てにきた人は皆無であり、宣伝が全くなかったことも休館の原因だと思います。
「とらバス」にしても、日帰り温泉の「あせび温泉」に営業開始の2時間前に行くダイヤを作っても、そんなもの誰が行くのでしょうか。
技の館で藍染め体験をして、路線バスが来ない霊場を2カ所くらい巡り、徳島ラーメンの有名店にでも立ち寄り、あせび温泉に入って、1日のんびり出来る無料バスのダイヤを組めば、道しるべとしても絶対お勧めしますし、結構人気が出るはずなのですが。
すべてが公務員的な発想(失礼)だったために、せっかくの良い観光アイテムがすべて無くなってしまいました。
今後、経営形態や事業内容の見直しをするそうですが、経営のプロに依頼して民間の活力を注入しない限り、存続はかなり難しいと思われます。