先週、道しるべに宿泊したお客様から、2件立て続けに「ユースホステルが良くない」というお話を聞きました。
1軒は、フロントを始め館内に物が散乱しており、とてもお客様を受け入れる宿泊施設とは思えない、という厳しいご意見でした。
確かに私もかつてはユースホステルの仕事の関係で、国内の施設を200か所くらいは訪れていますが(閉館になったところも沢山あります)、その過半数は物が散らかっていました。
そういうところはだいたい掃除も行き届いておらず、埃が館内を舞っています。
それなのに、お客が来ないのは本部の責任だ、と言われたところもあるくらいです。
もう1軒は、電話応対の仕方でした。
宿の名前を名乗らずに「はい、もしもし」と応対して、しかも「泊りに来られるのなら来てみろ」といった話しぶりだったそうです。
2軒とも私が行ったこともあり、オーナーも知っているユースホステルなのですが、確かに昔からたびたび問題を起こしているところです。
昔のユースホステルは教育的な指導のもとに運営され、文部省管轄の組織でした。
全盛時代には廊下やトイレの通路で寝ても文句も言えないくらい繁盛したこともあり、問題の2軒も、その殿様商売が今も尾を引いているとしか言いようがありません。
とてもお客様を受け入れるようなサービス業をしていないからです。
昔泊ったその1軒は、夕食にはお惣菜1品と漬物、ご飯とみそ汁というまるで精進料理のような内容で、料金もしっかり1000円取られたと思います。
本部からの出張扱いでそこを訪れた時には、刺身や焼き物、デザートまで付いて夢のような夕食でした。
私は営業の仕事で訪れたので、宿の接遇については特に報告をあげませんでしたが、その食事内容の違いが大きかったので覚えています。
現在のユースホステル協会は、自治省などからの天下り数名でかろうじて経営が成り立っているのが実情であり、今日の選挙結果によっては、来年3月をめどに借入金返済など、かなり厳しい状況になると考えます。
昔の理事長は海外出張もファーストクラスで、危機感など全く持っていませんでしたし、管理職の出張も宴会三昧でした。
ユースホステルは一度組織を解体し、全国50か所くらいの良い宿だけで再び違う組織を形成する方が、イメージ的にも随分良くなるように思うのですが、それもなかなか難しいでしょう。
ちなみに道しるべもユースホステル契約を考えたことがありましたが、あまりにも閉鎖的な組織であるため、宿発展の可能性がないと判断し、旅館で営業することにしました。
現在では、お遍路さんからご家族まで、会員証も不要で幅広くご利用いただいているので、良かったと思います。
ユースホステルは私が15年も勤務した会社なので、何とか立て直したいと思うのですが、トップに立つ人を代えない限り、無理です。