四国で一番人口の少ない町(村は除く)が徳島県にあります。
と言うか、全国的にも人口の少ない町としては6番目です。
2005年の国勢調査では、人口が1955名の徳島県上勝町。
徳島市から南西に約30キロ走った四国山地の山深い谷にその町はあります。
ただ、3ヶ月後の今年の9月には、その上勝町が全国的に注目されそうなんです。
先日、県南に行く用があったので、少し足を伸ばして上勝町を初めて訪れました。
四国霊場20番鶴林寺のある勝浦町から走ること約20分。
もっと細い道が続く山奥かと思いましたが、峠を越えるつづら折りの旧道をショートカットする真新しいトンネルが次々と完成していました。
一つ山を越える度に小さな集落があり、道ばたには自生のアジサイが色とりどりに咲き乱れていました。
徳島は空気が美味しいと思っていましたが、上勝町は今まで味わったことの無いような清々しい空気があり、町中を豊富な水が流れているため、とても涼しく感じました。
上勝町役場には、意外と簡単に到着することが出来ました。
パンフレットを頂くと、役場の方はとても親切に色々と教えて下さいました。
それだけで、町の人々の温かさ、優しさが伝わってくるようでした。
さて、実は今年の9月に上勝町が舞台になった映画「人生、いろどり」が全国ロードショーで公開されます。
典型的な過疎地であり不況が続く中、頼みのミカンが売れなくなり、自然の葉っぱを料理に使う「つまもの」として売り出し、成功するまでの町の人々の苦労を描いた映画です。
最初は市場で全く見向きもされなかった葉っぱですが、高齢のおばあちゃんがi-Padを使いこなして注文を受け、現在では年商2億円の大ビジネスに成長したそうです。
そのアイデアを出した人も凄いと思いますが、それを受け入れた町の体制や人々の熱意には驚きです。
映画は、徳島で9月1日から先行ロードショーされるため、今からとても楽しみです。
ハンカチを持って行かなくちゃ。
町役場の玄関に貼られた大きなポスター。
また、せっかく来たので、日本百選の棚田を見に行きました。
山の中腹まで開拓し、見事な棚田がそこにはありました。
機械は入らないので、すべて昔ながらの手作業の田植えや稲刈りです。
上勝町の稲は、素晴らしい自然と人々の愛情をたっぷりと受け、大きく育つのです。
帰りに小学校の横を通ると、集団下校の生徒さんの先頭と最後尾に父兄が付き添っていて、その横を通る車はすべて徐行していました。
この大自然も、葉っぱにかける人々の熱い気持ちも、そして子供達も小さな町の大きな財産なのです。
とても清々しい気持ちで、元気を一杯貰って帰ってきました。
どれほどの時間と手間をかけて、この棚田を作ったのでしょうか。
