旅行代理店の主催旅行で、「カニ食べ放題ツアー」と銘打って募集したにもかかわらず、当日現地でカニが不漁で食べ放題じゃなかった場合、旅行代理店は代金全額をツアー参加者に返金しなくてはなりません。
それは、その旅行代理店を信頼してツアー申し込みをしたわけですから、当然です。
日本マクドナルドが中国産鶏肉の問題で、12月の業績予想を「未定」と発表しました。
自分の会社の業績が読めないとは、まあ随分と地に堕ちたものです。
今までは、「マクドナルド」という世界的なブランド企業を信頼して消費者は商品を購入していたわけですから、どこの国から原料を仕入れようが消費者には何ら関係ありません。
社長の謝罪会見では、終始英語での説明で、「われわれは中国にだまされた(被害者だ)」とありました。
ただ安いだけの中国鶏肉加工会社を信頼して取引をしていたマクドナルドの自己責任なのに、自分も被害者だと考えること自体、自分が犯した多大なる責任逃れとしか思えません。
責任をもし感じているのであれば、商品を購入した人すべてに全額返金処理をするべきではありませんか。
自動車メーカーは、故障する可能性がある場合、すべてをリコールして無償で修理します。
その安全性の高い信頼を消費者は購入するのです。
昔、三菱自動車がリコール隠しをして発覚したので、私は絶対に三菱の車は買いません。
東横インが身体障害者用のスペースを転用して、西田社長が「たまたまスピード違反で捕まったようなもの」と発言したので、私は絶対に東横インには泊まりません。
しかも、食品の場合はそれを食べたら食中毒など命にかかわる可能性もあるわけです。
マクドナルドは、なぜきちんと謝罪をして代金を返金しないのか、私には分かりません。
もはや会社としては最も大切な「信頼」を捨てたのでしょう。
今日、昼頃にマクドナルドの前を車で通ったので、ちらりと覗いてみましたが、広い駐車場に車が2台停まっていました。
「この騒ぎのときに行く人がいるんだ」と思いましたが、実は店長と従業員の車だったりして。
25%の売り上げ減を予想しているみたいですが、とてもそれでは済まないと思っています。
マクドナルドのキャッシュフローがどれくらいなのか私は興味もありませんが、長期低迷が続くと、確かに12月期の決算の予想は立たないどころか、年内には会社の存続も危ういと考えます。
私がブログで何度も書いているように、バブルがはじけて以来、マクドナルドは「安かろう悪かろう」路線を選びました。
一旦値段を下げてしまうと、値上げするのは至難の業。
しかし、値上げすると同時に高級路線化は出来たはずなのです。
国内の信頼できる食材を使用して、多少高くてもモスバーガーなど他店に負けない美味しさを追求しておけば、たぶん私もたびたび足を運ぶお気に入りのショップになっていたでしょう。
牛丼の「松屋」も高級路線に転換しました。
一度食べた人が、「これは美味しい」と思えば、少しくらい高くてもファンになるのです。
「こんなに美味しい食べ物がこの値段なら」がポイント。
「こんなに不味い食べ物だけど、この安さ」では、何の魅力もありません。
ポジティブに考えれば、マクドナルドは今回の不祥事とお客様の信頼を裏切ったことをきちんと謝罪して、代金の返金、そして店舗数を半分にしてファストフードをやめ、きちんとした美味しいハンバーガーチェーンに生まれ変わる良い機会だと思います。
結構いけるボリュームたっぷりのハンバーガーと、フリーポテト、フリードリンクをセットにして800円くらいで販売すれば、立ち直れると思うのですが。
いっそのこと、名称も変更して違うイメージのショップにした方がベターかも。
道しるべも幸運なことに今まで不祥事は起こして(ばれて)いませんが、今後はプチ高級路線を考えています。
お遍路さんは開口一番「お遍路は初めてなので」と仰います。
「大丈夫ですよ、9割以上の方が初めてですから」
と言うと、すごく安心されます。
そして菅笠のかぶり方や宿での杖の処し方、お遍路の作法をご案内すると、とても感謝されます。
宿に泊るだけではなく、そこで何が出来るかというプラスアルファが必要な時代です。
そして、お遍路さん用に気軽に使える無料のマッサージ機を導入したり、近くの「あせび温泉」への送迎、そして夕食後には「お遍路ミーティング」と題した30分くらいのティータイムを設けて、お遍路の心構えや作法、お接待の受け方、禁止事項などを説明するとニーズがあるのではないか、と思っています。
観光の旅人もお遍路の話をすると結構興味がある様子なので、そのまま雑談に持ち込めるのではないか、と思います。
マクドナルドの会社対応を見ていて、私も本当に勉強になりました。
大切なのは会社でも自分でもなく、売上金とか収益などにこだわっている会社は三流のポンコツ会社であり、信頼して利用してくださるお客様が最も大切なのですから。
そしてお客様に信頼していただければ、自ずと売り上げや収益があとから付いてくるのです。
マクドナルドがそのことを理解するには、あとどれくらいの時間が必要なのでしょうか。