今年の10月1日は、東海道新幹線が開業して50周年の記念日です。
まさか半世紀で鹿児島から北海道まで、日本中に新幹線網が出来上がるとは夢にも思っていませんでした。
新幹線が出来たところは便利になりますが、その地区のJR路線が第三セクターに転換されて学生の定期運賃が値上がりしたり、本数が激減したりと、悩みも尽きません。
さて、この50周年を記念してJR東海は「記念キャンペーン」を実施します。
その中でも特に会員限定の、東京-新大阪間こだま号で5400円という「超★超IC早得」が発売されます。
現在の新幹線特急料金は、「のぞみ号」は少し高く設定されているものの、「ひかり号」と「こだま号」は同じ料金です。
今の時代、列車によって価格に差をつけるべきであり、「こだま号」でも東京-新大阪間が4時間なので、高速バスなどに比べても遅いわけではないのです。
新幹線のダイヤは超過密なので、すべての駅に停車して後続の「ひかり」や「のぞみ」に追い越される「こだま」の優しさは私はとても好きです。
そして私は、時刻表さえあれば4時間くらいはアッと言う間です。
昔はJR東海ツアーずの割引切符を利用して「こだま」に乗車しましたが、停車している隣の通過線を「のぞみ」が高速で走り去るたびにグラリと列車が風圧で揺れるその感覚が好きでした。
しかも、通過後わずか1分くらいで発車するそのダイヤの正確さ。
「頑張って次の駅に行かなくちゃ、後続のひかりがやって来るんです」
と言いたげに。
その「こだま号」の料金は、高速バス程度に設定すればどうか、と以前から思っていました。
東京-大阪5000円だとかなり勝負になると思います。
また、「ひかり号」ももっと安くして、1万円くらいが妥当かと。
そして、平日昼間や夜間の比較的空席がある便に限り、「のぞみ号」でも指定席で1万円にすればどうでしょう。
そうすれば、朝夕の混雑を少しでも解消できるのではないでしょうか。
閑散期と繁忙期の区別はあるものの、全列車ほぼ均一運賃なので、どうしても時間的に便利な列車を利用してしまいますが、LCCのように曜日や時間によって値段を大きく分ければ、利用者にとっても大きなメリットがあると思います。
また、道しるべの近くを走るJR四国の高徳線も、「うずしお」の指定席が混雑しているのを見たことがありません。
空席のある時間帯の列車は、現行の自由席料金で席数限定の指定席を発売すればどうでしょう。
極論を言えば、混雑していない時期であれば、指定席と自由席の料金が同じでも良いのかと。
指定席料金は必ず座れる保険のようなものですが、自由席に空席が目立っている閑散期などに限定して、特に設定する必要はない、と考えます。
JRは民営化して確かに変わったと思いますが、それが果たして利用者のニーズに合ったものか、と言えば疑問です。
赤字ローカル線を次々と廃止して、只見線のように災害を受けた路線は復旧させず、その代わり新幹線の新線やリニアを建設するのは、やはり考え方が「収益重視」だからです。
鉄道はあくまでも地元住民のためのものであり、「赤字」だからと言って次々と切り捨ててもよいはずがありません。
JR九州も鉄道部門はトントンで、不動産でかろうじて黒字を出している現状にあって、一部上場はどうなの、と思うようになりました。
そしてJR四国も厳しい経営が続いており、将来的にはJR西日本との合併を視野に入れるべきではないのか、と私は思っています。
西日本が嫌がるかもしれませんが、そのことが結局は利用者の利便性向上につながるのであれば、迷うことはないと思います。
「大塚国際美術館」にしても、存在を知らない観光客もいます。
新幹線に接続して、岡山から美術館をイメージした「大塚国際美術館号」が鳴門まで走ると思うと、それだけでワクワクします。
また高知の坂本竜馬や松山の坊ちゃん、大阪から「讃岐うどんめぐり号」も出来るかもしれません。
新幹線50年を迎え、国民のための鉄道であると、将来に向けたJRの存在意義をもう一度確認して欲しいと願っています。