私が讃岐うどんを初めて食べたのは、42年前のこと。
その時、あまりにもショックを受けたので、今でもよく覚えています。
と言うのは、徳島で食べ馴染んだかけうどんのツユがなく、茹でたうどんに醤油をかけて食べるスタイルだったのです。
「香川県は何と貧しい県民なんだ」
と本気で思いました。
失礼。
しかも香川県では日常的に昼間は断水していたので、今のように沢山のうどん屋はありませんでした。
そして、中学、高校、大学と青春時代を高松で過ごし、特に高校と大学時代には、うどんはほぼ毎日食べました。
朝、昼、夜ごはんに食べるのではなくて、10時と3時のおやつに食べるのです。
高校の時には、食堂が2時間目の終わりから営業していて、70円のうどんを食べ、昼休みには持参した弁当を食べるのが日課でした。
大学時代にも授業の合間や小腹が空いた時のおやつに食べたので、私の青春の味はうどんです。
特に失恋した時に食べたうどんは、美味しい変わらぬ味で慰めてくれたので、感謝しています。
さてその後徳島の吉野川から香川用水で水を引き、香川県が水に困ることは無くなりました。
うどん専用の小麦粉「さぬきの夢2000」も開発され、現在の讃岐うどんブームが起きています。
讃岐うどんには、かけ、醤油、釜揚げ、ぶっかけなどがあります。
種類の説明は割愛しますが、それぞれの店で特徴のあるうどんを提供しているので、何軒かハシゴをしても異なった種類を食べれば飽きることはありません。
私のイチオシは、かけは「がもう」と「やまうち」、釜揚げは「長田in香の香」です。
特に「やまうち」で食べる「ひやあつ」は水でしめた麺に熱い出汁をかけたうどんで、小麦粉の香りが強く、その美味しさは抜群です。
また「長田〜」で食べれば、他の店に行く必要がない、と私は思っています。
香川県には綾歌郡とか綾川町とか、「綾」の付く地名がありますが、これはうどんをこねる意味だ、と聞いたことがあります。
本当のことはよく分かりませんが。
余談ですが、学生時代に残念だったことは、香川県にはラーメン屋を探しても無かったこと。
だから、友達と徳島までラーメンを食べに来たこともしばしば。
今では「讃岐ラーメン」が出来たそうです。
さて、讃岐うどん巡りをするコツは、万難を排してでも平日にすること。
有名店で本当に美味しい店は、日曜日が休みなのです。
しかも、土曜日はとても混雑するので、1時間待ちも当たり前。
GWなどは、3時間待ちの店も。
そして、営業時間の長い店は、茹で置きのない朝一番に食べに行くことです。
朝と昼では、繁盛店でもうどんの味が違うことがよくあります。
現在、香川県にはうどん屋が800軒あると言われていますが、有名店の中にも麺を製麺所から仕入れて、出汁も業務用で、天ぷらだけを店で揚げているところもあります。
「元祖」と名乗ったり、ガイドブックのトップにデカデカと広告を出しているような店は、怪しむべきです。
本当に旨い店は、地元の方のための店なので、絶対に広告を出したりしないのです。
道しるべから翌日うどん巡りに行くお客さんも沢山います。
オーナーお勧めの「グルメマップ」も作成しており、いろいろとアドバイスしますので、何でもご相談下さい。
JRの場合は、志度まで高徳線で行き、琴電の一日フリー切符を琴電志度駅で買い、沿線の名店を巡るのがベストだと思います。
フリー切符は1200円で、琴電琴平線の沿線の名店がお勧めです。
そしてお泊まりは「風のくぐる」さんでどうぞ。
春には、祖谷そば、半田そうめん、鍋焼きラーメン、チャンポンもある麺王国四国の、讃岐うどんと徳島ラーメン巡りの旅はいかがですか?