徳島県代表の徳島商業、鳴門工業、海南高、そして池田高などが大活躍した甲子園球場。
特に海南高のジャンボ尾崎などは、帰宅した父親に幼少でルールも知らないのに必死で説明してた、とその後母親が言ってました。
また、池田高の水野の時は、徳島県内しか優秀な選手を獲得できない制度があり、その限界に挑戦した優勝でした。
今年の選抜大会が粛々と行われています。
でも徳島県は選考に選ばれず、しかも四国勢も初戦で全て敗れ去りました。
なぜか?
それは、四国圏内の優秀な中学生が大阪や県外の高校野球部からスカウトされて、高待遇で迎えられるからです。
映画「ビリギャル」で、甲子園を目指している息子の葛藤を見ました。
聞いたところでは、寮費はもちろん無料で、テレビ、エアコン、冷蔵庫など三種の神器は備え付けなのだとか。
両親には全く負担のかからない寮生活を送れるので、生徒だけでなく両親もスカウトされることを期待しているのではないでしょうか。
それで生きがいのある高校生活を過ごせるのなら、何の不足もないと思います。
本人、両親で相談すれば、その選択肢は自由です。
かつて大阪の高校が優勝した時、エースの投手が徳島出身だと聞いて、体の力が抜けるのを感じました。
故郷のチームのために投げる、という考え方は古く、自分のために投げるのです。
高校野球は時代の波に飲まれ、終わったと思ったものでした。
今後、四国勢からは優勝はおろかベスト8も難しいのではないだろうか、と本気で思っています。
名前を全国的に有名にしたい学校が優秀な生徒を集めて、そして効率のいい練習をすれば生徒は間違いなく伸びます。
田舎の草ぼうぼうのグランドのチームが、ケツバットをされながら1年生は球拾いの練習ばかりしていたのでは、コールド負け寸前に代打で三振するのが関の山。
どちらが素晴らしい青春なのかは、私には理解できません。
今年の選抜も、どこの高校が出ているのか全く知りません。
強豪校同士が決勝でぶつかり、弱い四国勢などは自然と消えて行く運命なのかもしれません。
八百屋の兄ちゃんがエースで投げて、魚屋のボンがホームランを打つ、そんな大活躍に小さな町が沸き立つ高校野球の栄冠は、私の夢の中でしか見られなくなりました。