いつも冷静沈着で、激昂する姿を見たことのない阪神の鳥谷。
先日の読売戦では、鼻にデッドボールを受け鼻骨骨折して、翌日の連続出場は諦めるもの、と思っていました。
しかし私は驚きました。
フェイスガードを装着し、昨日の試合にも代打で出場したのです。
試合に出る恐怖はあったことと思います。
でもそんな闘志が鳥谷にあったのでしょうか?
乱闘をしろ、という訳ではありません。
その闘志をプレーで見せて欲しい、と私は何年思い続けてきたことか。
鳥谷は絶好のチャンスが到来しても、四球でバットを捨てて歩く姿しか印象にありません。
私にすれば、チャンスに滅法強かった新庄や関本、そして川藤の方がはるかに印象に残っているのです。
敬遠の球に飛びついてサヨナラ安打にする新庄のような真似は、鳥谷には逆立ちしても出来ないでしょう。
ホームランの大飛球を打たれてもライトを守っている川藤は、「落ちてこい、落ちてこい」
と祈れば本当に落ちてくるのだそうです。
彼らは決して打率は高くなかったものの、ボテボテの内野ゴロでも全力疾走したり、ヘッドスライディングしたり、得点に結びつける要素を持っていました。
多くの阪神ファンは、四球を見たい訳ではありません。
プロとしての素晴らしいプレーや闘志を見るためにわざわざ球場に足を運んでいるのです。
そして、彼らを自分の目で見て、直接応援するために。
だから、新庄でダメだったら仕方ない、と諦めがつく選手でした。
関本でダメだったら納得したものです。
それが鳥谷のように四球で歩いて、結局は残塁で無得点だと、フラストレーションが残るだけなんです。
せっかくのチャンスだったのに、
「あーあ」
とライトスタンドからはため息が。
連続出場の記録は、本人にとっては大切なことかもしれません。
しかし、このままのプレースタイルだと印象にも私の記憶にも残らない単なる阪神の選手、鼻にデットボールを受けた選手、で終わってしまう可能性があります。
怒れ、鳥谷よ。
顔面に死球をくらって何故怒らないのか。
読売の選手が
「鳥谷選手が心配です」
とインタビューで話したそうですが、そんな紳士のおままごとは、男の闘争の舞台には必要ありません。
私はそれを聞いた時、馬鹿にされてると思いました。
もしかすれば選手生命の危機だったかもしれないのですから。
鳥谷はチャンスを得点に結びつける実力のある男だと信じています。
ホームランを狙うにはすでに力が弱ったかもしれませんが、ボテボテの内野ゴロでも平野のようにヘッドスライディングをする闘志を見せて欲しいと思います。
関本のように豪速球に食らいつく、闘う男の姿を見たいのです。
阪神は若くて有望な選手がたくさん育っています。
その金の卵が育つ貴重なバッターボックスを譲ってくれている訳ですから、鳥谷に闘志がなくなれば、何の恥じることもなく堂々と若い後輩に打席を譲ることも大切ではないでしょうか。