昔からバスを利用してどこかへ出かけたい、という気持ちは持っていました。
それは、行き先が表示されており、居眠りをしてても無事に到着するような便ではなく、どこへ行くか分からないようなバス旅。
実際にそんなのはありません。
テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はよく見ました。
ただ、蛭子能収さんとマドンナは、太川陽介さんに付いて一緒に旅をするだけで、特に蛭子さんの毒舌は失礼なことも多くありました。
それが番組の狙いだったのかもしれませんが、見ていて少し不快でした。
先日、別の番組でサイコロを振って進む、実に意味のない旅番組を放送していました。
また、必ず降りたバス停の近くで食堂を見つけ、食べることが条件なのでした。
食堂はともかく、私の理想のバス旅に近いかもしれません。
そして、食べてばかりだと苦しいだろうなあ、と思ったのですが、食堂がなかなか見つからないので、割とそうでもない様子。
しかも漫才師のコンビとマドンナがいい感じで嫌味もなく、爽やかなバス旅になりました。
大阪から仙台への夜行バスに乗ったこともあるし、松本行きもあります。
札幌から富良野行きも乗りました。
板野から高速須磨行きは、しばしば乗ります。
でも違うんです。
それらは移動手段であって、楽しく無いのです。
遊びで乗るのと、仕事で乗るのでは全く意味が違います。
仕事で18きっぷや新幹線を利用すると、それはもはや地獄です。
時代とともにバス路線も次々と廃止に追い込まれ、そのような秘境を走るバス路線は時刻表を見ても、ほとんどありません。
旅の面白さは、予想できないアクシデントやイベント、また旅の不自由さを楽しむところにあるのです。
昼食を食べたくても駅弁を売ってる駅もなく、乗換駅の駅そばで我慢したものの、その山菜そばが意外と美味しくて、いきなりテンションが上がったことも。
鉄道の旅も目的地へ移動するだけではなく、気軽に途中下車できるローカル線が、旅には面白いと思います。
でも1時間に1本、いやいや半日待たないと次の列車やバスが来ないところもあります。
そんな中で、私の理想のバス旅なんて最早考えられません。
鉄道でもバスでもバイクでも車でも、旅をすれば、あまりにも忙しい、そしてツアーなどは分単位の行動には呆れてしまいます。
札幌でも仙台でも、そこまで出掛けると、数日その町に滞在して、角の小さなパン屋とかスーパーに入ってみたり、どこへ行くのか分からないバス路線に乗る旅も面白いと思います。
そう言えば昔、仙台道中庵ユースホステルに数日滞在して、観光にのんびりした時間を使うことができました。
オーナーさんには迷惑だったと思いますが、気持ちのいい昼寝もできました。
あの時楽しかったことは、すっかり忘れてしまい、慌ただしい旅が旅の本来の姿だと勘違いしていたのです。
アホらしい旅こそが本当の旅かもしれません。
そうすると、年老いて病気がちな今は、温泉で湯治などいいのかも。
温泉に入る以外はすることがないのですから、楽しいと思います。
ところで、秘境路線バスの旅はシリーズでしょうか?
出来れば毎週1時間の枠を設けて欲しいものです。