札幌市が保有している札幌ドームとの契約が暗礁に乗り上げ、北海道日本ハムファイターズが遂に北広島市に新球場を建設する運びとなりました。
プロ野球の球団が、新球場の完成で本拠地移転した話は聞きますが、契約が難航して移転する話は私の記憶にありません。
球団は札幌市に毎年賃借料として数10億円を支払っているそうですが、今回はそういう問題ではなく、球団の望む要求が問題のようです。
野球観戦に訪れた観客の宿泊や食事、観光などを考えると、日本ハムが試合をするだけで絶大な効果があると思うのですが、札幌市は大きな間違いをしてしまいました。
日本ハムが抱える問題とは、メジャーのようなボールパーク構想です。
現在のようにきちんと入場料を払う代わりに座席が確保されていて、野球を楽しむスタイルが定着した日本では、なかなか難しいことへの挑戦だと思っています。
阪神のように甲子園球場を連日超満員にしたい球団は、隣の人の肩が触れ合うほどに詰め込んだライトスタンドで、野球なんか楽しむどころではありません。
隣の人がお姉さんに注文したビールが膝に溢れないかが気になって、野球に集中できないのです。
また7回裏にジェット風船がジュースや弁当に飛び込まないか心配で、手で蓋をしています。
そんな中、ライトスタンドが騒がしいと思ったら誰かがホームランを打ったとか。
それが誰なんだか、ボールはどこへ飛んだのだか、豆粒のような選手では、ちっとも分かりません。
そして知らないオヤジが万歳して手を差し出してくるので、ハイタッチ。
あまりにも甲子園は疲れるので、最近は行ってません。
のんびりと遊ぶ感覚で野球場に足を運んでもらい、見る価値があれば入場料を払ってもらう日本ハムの考えは素晴らしいと思います。
しかしながら、日本ハムに逃げられたから今度はセリーグの主催試合を模索する札幌市は、日本ハムに対してあまりにも失礼ではないですか。
日本ハムが札幌に移転した時は、北海道が沸いて、現在はファンの人気は定着しています。
元々、パリーグの1球団だけが北海道を本拠地にするデメリットは大きいものがあります。
札幌ドームでの主催試合の60試合以外は、全て前日に飛行機で移動する遠征になるので、選手の精神的、肉体的疲労は計り知れません。
しかもホームの試合でも、旭川や帯広、函館など道内各地の試合も組まれており、移動だけでも大変です。
それでも移転して北海道を盛り上げようと努力している球団に対して、札幌市の冷ややかな対応では逃げられても当然でしょう。
前身は徳島ハムだった日本ハム。
昭和の時代に徳島ラーメンを作り出したのも日本ハムが余った豚肉を安く販売したことから始まった徳島の食文化でした。
そして、私が子供の頃は、日本ハムの春季キャンプは寒空の2月に、徳島県の鳴門市で行なっていました。
しかも当時の阪急ブレーブスの4番は鳴門出身の長池徳治選手で、父とオープン戦に行ったりして応援していました。
また南海ホークスの野村克也捕手の全盛期の時代で、パリーグが盛り上がりました。
子供の頃から年間数試合でもいいから、日本ハム主催で徳島での公式戦を熱望していた私ですが、北海道へ移転してしまいました。
しかも徳島には数万人収容して公式戦ができる球場がないので、それも儚い夢に終わりました。
北広島市は広島県からの移植者が多く、広島の地名を付けたそうです。
札幌から電車で約15分と近く、しかも千歳線に隣接した新駅を建設すれば、札幌ドームより遥かに便利なスタジアムが出来そうです。
しかも道内各地から電車でも車でも、やたら信号機が多く渋滞が慢性化している札幌市内を通らずに行くことができるのも魅力です。
札幌ドームのアクセスの悪さは最悪でした。
日本ハムが理想とする新球場が完成すれば、是非新球場にも訪れたいと思います。
そして、その資金はダルビッシュや大谷のメジャー移籍金で賄うのでしょうか?
この際、球場移転に際して球団の名前も「北海道北広島ダルビッシュ大谷日本ハムファイターズ」に変わったりして。