道しるべオープン以来、共に過ごしてきた犬のくーちゃんが、2日早朝に亡くなりました。
満15歳でした。
また5年前に猪と格闘して顔面血だらけになった事件があり、その時から吉野川市の私の実家に疎開し、隣の教会の方にお世話になっていました。
おやつを貰ったり、散歩に連れて行って貰ったりと沢山の方に可愛がられて、とても幸せな晩年でした。
思い起こせば15年前の10月に、道しるべの駐車場の片隅で生まれたばかりの、何かの動物が「クークー」鳴いていたのが出会いでした。
そしてスタッフが風呂に入れてやり、耳の中にいた血を吸った大きなダニを駆除してやると、とても気持ち良さそうでした。
そしてしばらく育ててみてやっと犬だと判ったのです。
離乳食を牛乳で溶かして与えると、際限なく食べました。
そのため、名前は食いしん坊の「くーちゃん」に決まりました。
営業的には空海の「くーちゃん」です。
商売上、館内では犬は飼えないので、外の犬小屋に繋ぐと
「どうして外なの?中に入れてよ〜」
と深夜まで鳴いて困りました。
雌なので優しく、人を噛むようなことは一度もありませんでした。
そして「お手」とか「待て」も出来る、とても賢い犬でした。
また何故かお客さんが来ても吠えないのに、業者の車が来ると「ワンワン」と吠えて、道しるべの番犬として活躍してくれました。
当時のスタッフと一緒に、散歩にもよく出かけました。
ぐるりと宿の周辺を歩くだけですが、くーちゃんはスタッフが大好きで、
「今日はいいお天気ですねぇ」
と気を遣って横で歩調を合わせて、すまし顔で歩いているのが滑稽でした。
道しるべにいると散歩も毎日出来ないし、一緒に遊んでやれないし、きっと退屈だったと思います。
私も毎週お習字で行くときは必ずおやつを買い、ご機嫌をとることにしていました。
しかし、高級なビーフジャーキーなどのグルメを貰うことに慣れてしまったため、私が買った安物のおやつでは
「え〜、こんなの食べたことないんだけど」
という顔をして横を向き、納得してくれませんでした。
でも流石に雌らしく、パンは好きでした。
毎年春になれば冬の毛から夏の涼しい毛に生え変わるのですが、今年は冬の毛が抜けることなく夏を越してしまいました。
新陳代謝が機能してないのは老化現象で、教会の方が専用ブラシで毛を取ってくれましたが、今年の夏はとても暑そうでした。
そして先月の27日には、動物園のシロクマのように同じところをクルクル回る行動をしていたので、異変に気がつきました。
翌月曜日には自力で立てないと連絡があり、教会の方に病院に連れて行って貰いましたが、診断の結果有機リン酸のような薬物を摂取した可能性があるということでした。
心配だったので、30日と1日にも出掛けましたが、横たわるだけで体力の限界を感じていました。
そして2日早朝3時頃に急に目が冴えてしまいました。
その頃に一声鳴いたそうで、それが私に届いたのかもしれません。
その後、6:40に連絡をいただき、天国へと旅立ちました。
15年という年月を共に過ごしたことは、私にとっては沢山の元気をもらい、とても幸せな日々でした。
今朝早速出掛けて、実家の庭に土葬しました。
また、道しるべにいた時は相手にして貰えず可哀想だったけれど、晩年は可愛がっていただき日本一幸せな犬だったと思っています。
目を閉じると、くーちゃんの笑顔が浮かびます。
沢山の元気を有難うね、くーちゃん。
そして教会の皆さん、お世話になり有難うございました。
