昔、「勿体無いお化け」が流行ったことがありました。
私の世代では、お客さんの食べ残しなどがあると「勿体無い」と思ってしまいます。
堺市の定時制高校で、給食に出されたパンと牛乳の余りを担任の先生が持ち帰ったとして、その是非を朝のニュースで流していました。
定時制高校には給食の時間があることを初めて知りました。
そして、昼間は仕事をして夜は勉強する勤労学生は立派だと思います。
仕事で疲れて学校へ行けなかったり、給食を食べたくない日もあると思います。
余ったパンと牛乳を先生が持ち帰ったところで、誰も迷惑する人はいません。
しかし、給食には税金が使われているそうで、トップの許可なく持ち帰った行為は問題かもしれません。
結局その先生はパンと牛乳の代金を支払い、退職したそうです。
税金を使って仕入れたパンを食べる人がいないから捨ててしまったのでは、パンを作る人にも気の毒です。
余ったパンをお金を払って買えば良かったのでしょうか?
そのパンと牛乳で、生徒から給食費をいくら徴収していたかは分かりません。
食べないのなら給食の配布を廃止にして、食べたい人はコンビニで弁当を買ってくれば良いのです。
あるいはパンと牛乳が欲しい人は、先生が手売りをすれば良いのです。
私は学生時代には給食の経験がなく、12年間もの間、母親に毎日弁当を作ってもらいました。
今になって思うと、その苦労は並大抵ではないと感謝しています。
しかしそれでは足りないので、高校時代は3時間目の終わりにクラス全員で弁当を食べ、昼食時間には売店でパンを買ったり、食堂でうどんを食べたりしていました。
昼休みに給食だけの食生活では、空腹に耐えられなかったと思います。
今の給食制度がどうなっているかは分かりませんが、定時制の生徒さんには給食を買ったという感覚がないのです。
売店で買ったパンや食堂のうどんは、食べるために買ったので残す人はいません。
そのため、全日制も定時制も現金を払って買う制度にすれば、買ったものは誰も残しません。
「食品ロス」が問題になっていますが、この時代に先生の「勿体ない」と思う気持ちは貴重だと思います。