昭和48年、望まれずにこの世に生まれてきた嬰児のために、一人の産婦人科医が法律に違反して立ち上がりました。
それは、里親制度と養子制度しか認められていない時代に、生まれた嬰児を第三者に斡旋する制度で、一歩間違えば人身売買になってしまいます。
宮城県の菊田医師は、罪を咎められて罰金20万円と医師法違反で免許を半年間停止されました。
しかし産婦人科の医師なので人工妊娠中絶の手術をしているうちに、正義感で陽の光を見ることなく亡くなった命の多さを感じたのだと思います。
当時は、子供を産んでも育てられずに1年以内に殺してしまう事件が国内で150件もあり、乳児殺害は問題とされていました。
そして、子供に対する虐待や殺人などのニュースが、現代でも後を絶ちません。
子供は、産んでくれた両親に育てられるのが最も望ましいとは思いますが、離婚が増えている現状では、なかなか難しい問題も生じています。
虐待や殺人などの罰則を厳しくすることしか私には思いつきませんが、産んだ親が望まなくても日本の社会が望んでいるのです。
政府も命の大切さをもっと真剣に取り組むべきだと思います。
そして日本も少子高齢化に苦しんでいます。
人口が激減している国が、いくら選挙をしても未来が見えないのは当然です。
ちょうど今日が衆議院選挙投票日ですが、立候補者の演説は有る事無い事、口が軽くなっています。
「国民の皆さんのために、誠心誠意、粉骨砕身の思いで。。」
この時点でもう嘘をついているので、こんな人は信じられません。
金と地位が欲しいのは丸見えです。
そこで、選挙で勝たないと政治家にはなれない、そこに民主主義に失敗した日本の、大きな問題があるように思います。
選挙に勝った時が終わりではなくて、大切な政治をするのは議員になった、その時からなのです。
選挙に勝ってバンザイをしている間抜け面の当選者を見ていると、あみだくじでも良かったんじゃないの、と思ってしまいます。
さて冗談はともかく、その時代に子供の命を助けようとした菊田氏の行動は立派だと思います。
昭和63年に特別養子制度が確立され、菊田氏が正しかったことが証明されますが、その4年後に氏は癌で亡くなりました。
日本では、立派な偉人ほど名前を残していないのも事実です。
ご冥福をお祈りします。