大晦日にお遍路さんにご用意した年越し蕎麦を片付けていたら、半世紀の時を超えて聞き覚えのあるメロディがテレビから流れてきました。
テレビ東京の「年忘れ日本の歌」で、流れていた曲は紛れもない梶光雄さんの「青春の城下町」でした。
私は5歳で幼稚園に入園するまでは徳島県南部の港町、日和佐にいたのですが、その時に15才歳の離れた叔母さんが買ったと思われるレコードが、何枚かあったことを記憶しています。
その中の1枚に紛れもなく「青春の城下町」があり、私は歌詞を覚えるほどに聴いたのでした。
「流れる雲よ城山の
上れば見える君の家
灯りが窓に灯るまで
見つめていたっけ会いたくて
ああ、青春の思い出は
我が故郷の城下町」
歌詞は多分3番まであって、私の記憶は定かではないので、間違っているかもしれません。
母が梶光雄さんのことを「よしみっちゃん」と呼んでいたことや、確か時計屋さんの息子さんだと話していた記憶があります。
彼の本名は「梶芳道」です。
そして1歳年下の叔母さんを慕って、何度か日和佐の家に招いたに違いないと思われます。
調べてみると、梶さんの出身は大阪になっているので、何故徳島の田舎町で個人的にそんなに親しくしていたのか、今となっては謎です。
そして歌詞に出てくる「君」は、紛れもない私の叔母さんのことで、叔母さんは日和佐町が選出する海亀の町「ミス乙姫」に選ばれるほどの美人でした。
そしてその後、母から
「よしみっちゃんは宝石の鑑定家になって頑張っている」
と聞きました。
現に氏は世界中で活躍する宝石の鑑定家なのです。
大晦日にそんな良い話を思い出させてくれたのは、天国の母かもしれません。
お客さんが紅白歌合戦を見ていると、間違いなく聞くことはなかった裏番組です。
そしてそのタイミングで私が聴いてなければ、起こり得なかった奇跡です。
正月早々、何か良い気分がして今年は素晴らしい一年になる予感がしています。
20年前に「道しるべ」を宿名にすると母に話した時には大賛成してくれましたが、その時「芳道」さんの「道」を名前に貰ったと母は感じていたのかもしれません。
コロナ禍ですが、今年も正月早々元気を貰ったので頑張ろうと思います。
その道しるべを、今年も宜しくお願い致します。