例年なら新春3日間にわたり実施される徳島駅伝は、昨年は残念ながら中止になりました。
しかし、今年は徳島から阿波池田駅前を往復する2日間のコースで実施されます。
冷たい西風が吹く中、迎えた4日の初日は鳴門市が独走したものの、徳島市と美馬市の熾烈な2位争いが展開されました。
そして道しるべのある板野郡は、阿南市、小松島市に次いで6位と健闘しています。
鳴門市は大塚製薬の陸上部があるので、毎年その実力を発揮して優勝争いを演じていますが、今年は美馬市が大健闘なのには驚きました。
人口の多い徳島市が強いのは理解出来ますが、人口の少ない市や郡が上位に食い込むのは至難の業です。
しかも箱根駅伝のようにテレビ放送もないし全く注目されないのに、選手の皆さんは地元の人たちの声援を受けて力走します。
毎年その姿には感動して勇気を貰っていますが、未来ある中学生や高校生のコースで応援するのが私は好きです。
郷土の選手で繋いだ襷は価値があります。
名誉や名声欲しさではなくて、自分が生まれた町のために走るのだから、それは感動します。
私はいつものコンビニの前で応援しましたが、今年はご年配のお婆さんが杖をついて一人で応援に来ている姿を見かけました。
「板野は遅いな〜」
と独り言のように呟きましたが、彼女は何年応援に来ているのでしょう?
寒い風が吹く中で杖をついて応援に来るのは大変だと思いますが、阿波踊りと同じでお婆さんの年中行事に徳島駅伝は組み込まれているのです。
走る選手も立派ですが、その応援に数十年も足を運ぶお婆さんも金メダルの価値があります。
若い学生が走り、年配の方が応援する、その世代交代の素晴らしさには感涙します。
因みに大塚製薬の陸上部監督の河野氏は、私と高校の同級生です。
彼は筑波大学に進学し、大学でも活躍していたことは知っていましたが、陸上部の監督としてまだまだ活躍することでしょう。
そのため、県都の徳島市と優勝争いを演じる鳴門市を毎年応援しています。
コロナが収束した来年こそは、徳島駅伝は県南の長閑な町を走る通常コースに戻り、力と勇気を県内全ての町に与えてくれると信じています。
5日の最終日は板野郡が何位まで上がるのか、そして鳴門市は優勝するのか、注目です。
出会ったお婆さんも、今年もお元気でお過ごしください。