先月末から密かに「18きっぷ」のヤフオクでのチェックをしていましたが、9日に予約が入ったので諦めていました。
そんな中、10日の最終日の朝に常連のKさんを送迎していた時のこと。
「18きっぷが1枚余ってるんです」
と夢のような言葉が、私には聞こえました。
経緯は割愛しますが結局下さり、急遽旅に出ることになりました。
この2年間列車の旅に出ていないので、四国内の気動車に乗った記憶が既に消滅しています。
いくら思い出そうとしても記憶喪失です。
取り敢えず財布といただいた切符、それにコートとマフラーを首に掛けて、電話を留守電にして火の元を確認し、板野駅までバイクで駆け付けました。
それでも8時台の列車に乗るのが精一杯。
さて行き先をどうするか、一本早い列車なら広島でも松山でも日帰りが可能なのですが、広島はコロナが蔓延してるし、取り敢えず選択が出来る徳島に向かうことにしました。
板野8:11-8:44徳島
選択の一つとして、DMVが先ず浮かびました。
徳島駅に停車している牟岐線の下り列車は、な、な、何と祭日の朝なのに立っている人がいるではないですか。
実はDMVが開通して儲けたのは実はJR四国だったりして。
そう言えばよく見ると、みんな一眼レフを持参していて目がギラギラ輝いています。
いや、「血走ってる」に近いかも。
徳島9:30-11:38海部
「そんな中で一緒に行くのは嫌だなあ」
と思っていたら、その観光客も鉄ちゃんも半分くらいが日和佐で下車してやっと座れました。
ブランチに徳島駅で買ったパンを2個、日和佐でやっと食べることが出来ました。
海南駅に到着すると、接続したDMVが無く、1時間近く待たないといけません。
だから皆さん日和佐で下車したのです。
そして海南駅では、乗車予約の電話をする人が続出し、普段なら気軽に乗れた阿佐海岸鉄道が予約制になったことで地元の方にはより一層利用し辛い乗り物になったことは残念です。
まあ、また来ることはあるだろうと思い、今乗ってきた気動車で引き返すことにしました。
海部12:08-14:57阿波川島
そしてその列車は徳島行きではなくて、阿波川島行きでした。
以前は阿波池田発牟岐行きの特急が徳島線と牟岐線を走っていましたが、今は直通列車は牟岐線の特急削減と共に無くなりました。
そして徳島駅に停車するホームが無いため、最近は牟岐線の上り列車は「板野行き」や「阿波川島行き」です。
板野や阿波川島駅からは始発列車になるので、名案の一石二鳥なのです。
徳島で乗り換える必要がないので、それは便利なのですが、夜の便なら寝過ごす人がいるのかも。
都会の相互乗り入れだと、横浜中華街で宴会をした人が日吉で降りるつもりがウッカリ寝てしまい、起きたら川越だとそれは悲惨です。
でも田舎は都会の人と違って、うたた寝している人は少なく、寝過ごすことは少ない気がします。
阿波川島駅は、昭和40年頃に私の父親が会社の川島支店に勤務していたので、手を引かれて下車した記憶があります。
そして、父はその支店で夜勤をしていたのですが、私は泊まった記憶はないので、その後どうしたのか全く奇妙な話です。
駅は谷底にあった記憶があるのですが、確かに裏側に小高い山があるので、間違いではないようです。
半世紀以上も昔、父に手を引かれて会社に向かった駅に、時を超えて降り立ったのでした。
阿波川島15:31-16:42阿波池田
阿波池田駅は坂出駅や多度津駅と並び、特急列車が発着する回数が多い、四国の中枢駅です。
土讃線の特急「南風」「しまんと」が次々とやって来るし、徳島行きの「剣山」と、ホームにいても飽きることはありません。
また最近は、JR四国の豪華列車やトロッコも走っていて忙しい駅です。
しかも「坪尻駅」の秘境駅ブームも起きています。
阿波池田16:45-17:33琴平
そしてウッカリしていましたが、一つ手前の佃で乗り換えれば良かったのに、阿波池田まで乗ってしまいました。
乗り換え時間は3分しか無く、車内でも乗り換えのアナウンスがありませんでした。
佃駅でアナウンスはあったと思いますが、聴き取りにくく逃してしまいました。
土讃線は単線なので、私が乗った気動車が阿波池田に着くまでは上りは発車できないので安心していたのに、跨線橋を走ると間一髪でドアが閉まりました。
もしも乗り遅れていたら、再び徳島線で引き返したことでしょう。
いや実はその方が良かったかもしれないアクシデントが発生することなど知る由もない私でした。
「坪尻駅」は、乗降する人はほとんどいないのに、その都度運転手さんが後ろへ行ったり前に戻ったり、スイッチバックは手間が掛かりそれは大変です。
「スイッチバック手当」は支給されているのでしょうか?
それよりも「スイッチバック弁当」を池田駅で開発して販売すれば面白いと思うのですが。
玉子焼きをスイッチバックみたいにジグザグに切り、そこに梅干しや煮豆を転がして遊びながら食べる、なんてどうでしょう?
そんな普段は考えないことばかり思いつくのは、数年ぶりの「18きっぷ」のお陰です。
さてシリーズの後半、車中泊も覚悟した「18きっぷの呪い」は明日、お楽しみに。