先日18きっぷで旅をしていて、昔の町名が残された駅が存在していることに懐かしさを感じました。
そして図書館で「合成地名事典」があり、その謎が初めて解明されました。
「合成」とは、合併した市町村のそれぞれ名前の一部の漢字を取って合わせた地名です。
子供の時から「変な名前の駅だなあ」と思っていた阿南市の「見能林駅」と東みよし町の「三加茂駅」です。
見能林村は、明治22年に見能方村と才見村、中林村、答島村の4村が合併して見能林村が誕生しました。
答島村だけは新町名に名前の漢字が入っていないので、住民は残念に思ったでしょう。
そして昭和30年に見能林村は富岡町に吸収合併されます。
その後昭和33年に橘町と合併して阿南市になりました。
県内では「富岡」という名前は高校の名前に受け継がれていて、知らない人はいません。
また昭和41年には「阿波富岡駅」が「阿南駅」に名称を変更しました。
私の叔母は、今だに阿南のことを富岡と呼びます。
また駅名を辿ると、市町村が改編された歴史を知ることができます。
牟岐線では、「羽ノ浦」「阿波中島」「見能林」「阿波橘」「桑野」「新野」「阿波福井」と旧町名が揃い踏みで、その土地を人々が苦労して耕し、力強く生きた長い歴史を感じます。
阿南市は四国最東端の町で、橘火力発電所や東端の見晴らしの良い温泉「蒲生田温泉」もあります。
コロナが収束すればバイクでノンビリ走り、紀伊水道が正面に眺められる露天風呂で足を伸ばしたいと思っています。
そしてもう一つの三加茂駅は、昭和34年に三庄村と加茂町が合併して三加茂町が誕生しました。
そして平成18年に三好町と合併して「東みよし町」になり、三加茂町は消滅しました。
先日の三加茂中の修学旅行中止は残念でしたが、子供たちは四国山地と吉野川に囲まれた静かな町に住んでいる事を幸せに感じ、将来は大きく羽ばたいて欲しいと願っています。
また私の生まれ故郷の日和佐町も、隣の由岐町と合併して「美波町」が誕生しました。
綺麗な名前の町ですが、「日和佐」の名前が消滅したことに少し寂しさを感じます。
それも時代の流れだと思っています。
JR四国には、土曜と休日に通年利用できる2000円で1日普通列車乗り放題の「四国再発見きっぷ」があります。
その切符で四国内の町の歴史を辿る、牟岐線や土讃線、高徳線を楽しむ再発見の旅も悪くないと思います。
そんな事を考えていると、その町を隣町と繋ぐ鉄道の使命を感じてしまい、悪い病気「急性鉄分症」が再発して美しい写真を撮りたくなるのでした。
その病気は、朝の残りご飯と海苔でおにぎりを作ることから始まりますが、海塩と梅干しは欠かせません。
この事典を見ていると、全国には沢山の市町村改変の歴史があり、ほぼ半日はコーヒーを飲みながら読み耽ってしまいました。
先日は、「18きっぷ」で改めて旅の良さと、駅名からその町の改編を知ることが出来る、実に愉快で興味深い旅を楽しめました。