先日、100円ショップ「セリア」の前を通りかかったので、買い物を思いついて立ち寄りました。
片手鍋が古くなったのと、突っ張り棒、LEDの電球を買うのが目的でした。
そして店内を隈なく探しても見つからないので、店員さんに尋ねると
「店内にない商品は売っていません」
とのことでした。
確かダイソーで鍋を200円で売っていた記憶があり、セリアならお洒落な鍋があるかもしれない、と思ったのでした。
突っ張り棒もそんな高価な品ではないし、LED電球は今や普及品です。
商売の基本は、消費者が望む商品を需要と供給が一致する価格で、より多くの選択肢を与える事が大事です。
新幹線でも普通席、指定席、グリーン席、グランクラスと選択出来るからこそ人気があるのです。
Jリーグでも沢山のチームが存在するからこそ人気があるのです。
オヤジの講釈になりそうですが、それは大切です。
宿でも1泊2500円(相部屋)と案内すると「安っ」と言う人もいれば、それでも「高い」と感じる人もいます。
私は、供給価格も需要に応じて季節とか曜日で変更するのが当然だと思っていますが、面倒なのでオープン以来代金は変えていません。
オープン1年目は特別価格で「一律ほぼ500円引き」を実施しました。
損益分岐点上は500円を値引きすると赤字だったので、初年度は苦しかったのですが、2年目以降は計算通りに推移しました。
宿のオーナーの中には宿泊者は全員が一律料金であるべきだ、と考える人がいますが、それでは選択肢がない為伸びる余地がありません。
繁忙期、閑散期、そして客室とかアメニティに選択肢を設けて利用者が選ぶ自由や権利を与えることは、資本主義社会の基本です。
セリアも損益分岐点の計算は当然していると思いますが、円安で原材料の仕入れが想定外だったり、どこかで戦争が始まったりしてもキチンと計算していれば儲かるはずです。
実際にお洒落な鍋や突っ張り棒、LEDなら500円でも買います。
お洒落な鍋は妄想も出来ませんが、150円以上の商品を求める人はダイソーなど他の100円ショップに行くため、セリアはみすみすお客を逃していると思います。
セリアが100円の枠を外して「ちょっぴり高級店」に参入するのは、トラさんチームの佐藤がバントをするくらい大変な事なのかもしれませんが。