アフリカの内陸中部、ビクトリア湖の西に「ルワンダ」があります。
四国と同じくらいの面積の小さな国です。
NHK-BS「ルワンダ 虐殺の子供たち」を見ました。
20世紀の終わりに内紛が起き、「フツ族」が「ツチ族」を虐殺する事件が起きました。
元々先住民族のフツ族は、農耕を主として生活して日本人に似た身長の低い民族でした。
それに対して500年前にルワンダに侵攻したツチ族は王国を建設し、割合は15%なのに貴族階級として国を征服しました。
少数民族のツチ族が多数のフツ族を支配したので、要するに「ねじれ」が生じたのです。
例えは悪いですが、日本では北海道のアイヌ民族が政権を取り、日本人を支配したようなものです。
そんな中、植民地政策をとった宗主国のベルギーは、ツチ族を支援して極端な優遇策を取ったことが間違いでした。
フツ族出身のハバリマナ大統領が就任し、一旦内乱は終息したかに見えましたが、1994年4月に大統領の飛行機が撃墜されて暗黒の時代に突入します。
長い圧政に苦しんだフツ族のストレスが大統領暗殺で爆発して、ツチ族の虐殺が始まったのです。
フツ族の民兵が、教会や学校に避難したツチ族の家族を手榴弾で皆殺しにしたり、逃げ惑う子供達を機関銃で掃射したり、乳児は母親から奪い取り地面に叩きつけて殺されました。
また、ツチ族の男性と結婚したフチ族の妊婦は、腹を裂かれて嬰児を殺され「その子供を産むことは許されない」と言ったそうです。
正に阿鼻叫喚の地獄でした。
そして近年は、ツチ族の母親がレイプされて生まれた子供は「父親が犯罪者」と汚名を浴びせられて生きてきました。
辛い人生を生きてきたツチ族の青年は、家族を皆殺しにされた人も多い中で「母親と共に生きてるだけで幸せ」と考えたそうです。
何も悪いことはしていないのに、あまりにも酷い仕打ちです。
またルワンダには「虐殺記念館」があります。
家族が殺された武器や器具、そしておびただしい人骨が展示されていますが、再び悲しい内乱を起こさない為に記念館は重要な役割をしているのです。
日本人なら「悲しいことを思い出すから」と、記念館は作らないので、東日本大地震の遺物の存続でも揉めています。
そのため、虐殺の記念館を建設したことで、ルワンダ人の強い決意が分かります。
過去の世界の歴史では、間違った認識や宗教上の理由で、民族間での虐殺が何度も繰り返されました。
悲しいかな、虐殺をするのは動物の中では人間だけで、神様がそのようにプログラムしたのかもしれません。
また、太平洋戦争では戦争に直接関係のない沖縄の人々が犠牲になりました。
家族で洞窟内に避難した時に配られた手榴弾で全員が自決したそうです。
また、断崖では死ぬ必要がない女子学生が海に飛び込んで命を落としました。
大本営は琉球民族を本土決戦の盾として利用しただけで、本土爆撃を数日間遅らせる為に沖縄を犠牲にしたのです。
戦争も民族の悲しい虐殺です。
またアメリカではトランプによって完全に国が二分されました。
この調子なら第二次南北戦争も勃発する勢いでしたが、バイデン氏の就任によって何とか落ち着きました。
アメリカも多民族国家なので一触即発の危険性があり、世界トップの国でさえ内乱が起きる可能性を秘めているのです。
そして世界では、他民族との間で紛争やテロなどによる殺し合いが起きてない国の方が珍しいくらいです。
手塚治虫氏のマンガ「W3」(ワンダースリー)のように、野蛮な星は調査隊によって破壊されるかもしれません。
でもコロナで苦しむ人類に対し、
「紛争している場合ではないぞよ、英知を結集して世界が協力し、この危機を乗り切るのじゃ〜」
と神様が警告しているのかもしれません。