<これは実話にもとづく物語である!>
この映画の主人公ラモン・サンペドロは、1943年生まれの実在した人物。そして、パンフレットによれば、19歳でノルウェー船のクルーとなって世界を回ったが、25歳の時、引き潮の海に岩場から飛び込み、海底で頭を強打したことによって、首から下が不随となった。以降、家族の介護を受けながら生活したが、26年目すなわち1994年、彼が51歳の時、尊厳死を決意。自分1人ではその「実行」ができないラモンは、その後裁判所に対して尊厳死を求め、これを拒否する法律制度と闘うことに・・・。この彼の闘いは、尊厳死を法的に支援する運動団体の支援を受け、国内外のメディアで大きく取り上げられたが、結局裁判所は彼の願い(要求)を認めなかった。他方ラモンは、1996年、ベッドの上で書きためていた詩や文章をまとめて、『LETTERS FROM HELL』というタイトルの本を出版。そしてその2年後の1998年1月12日、周囲の人間が罪に問われない方法を考慮したうえで、自身の人生にピリオドを打ったとのことだ。この映画は、この実話にもとづく物語がすべての人間に対して問う意味を静かに、しかし大きな迫力をもって観客に示している。
胸が締め付けられた言葉
どうしていつも笑顔なの?それに彼はこう答えたんだ
”涙を隠せるから”・・・・観終わって涙というより、胸が痛くて痛くて!

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