さて、有馬記念とディープインパクトだ。
とはいっても、別にもったいぶったからと言ってさほど意味の有ることを書くわけではない。第一、引っ張ったのはあくまでこっちの体力的都合なのだから(苦笑)。
まず有馬記念の予想について。これは全く後悔はしていない。馬券としてはディープが勝とうが負けようが関係なく、デルタの複勝と、デルターディープで最低でも6倍近くつくワイドでの勝負だから、デルタブルースが3着までに入りさえすれば儲けられる買い方だった。デルタの能力と無視のされ方を思えば、ここで勝負したのは何ら問題ない。
1頭抜けた馬がいる場合に、それが来ても飛んでも(もちろん消えるという競馬用語本来の意味。こんな注釈をつけないといけないのは、「飛ぶ」なんて、本当に安っぽいコピーを考えてくれたからだが)、懐が潤うような組み立てを考えるのは正しいと思う。
自慢ではないが、私はここまでディープインパクトについては完璧な評価ができていた。本命としたレースではことごとく勝ち、ハーツクライが勝つとした有馬記念では実際にそうなり、凱旋門賞でも、前日の電話インタビューで勝つのはシロッコかレイルリンクとしていたわけだから、ディープの2度の敗戦については勝ち馬までほぼ見抜けたことになる。
ディープインパクトが、例えば前走のように、どこをどう叩いても負ける要素がないと判断した場合は、ためらわず本命を打ってきたわけで、別にアンチでもなんでもない。ただ今回は、負けてもおかしくない状況にあると見たわけで、それで本命視しなかっただけの話である。とはいえ、去年の有馬記念のように、確実に負けるとまでは思えなかっただけに、デルタの複勝やワイドとなったわけだ。
で、続いて有馬記念のレース自体についてだが、これはひとえに他の騎手が情けない。菊花賞の横山や、去年のルメールのような闘志を持った騎乗は見られなかった。デルタの岩田も今回はひどかった。もっと4角手前で果敢に攻めていたら、どうなっていたか。あげくに、大型馬が内で詰まってしまい、わずかな隙を突こうとしたらサムソンにぶつかり下がって、万事休す。
レース序盤100〜900のラップは去年より2秒速いが、これはメインが1頭で飛ばしたためなのはお分かりの通り。2番手ダイワで去年のペースよりわずかに速い程度で、ダイワのここまでの行き方は、だいたい去年ハーツの逃げた感じと同じ。問題は続く900〜1700m、つまり中盤の緩みで、去年よりかなり大きく、レースラップで去年より1秒6も落ちた。(通過タイムは今年が0秒4速い)。この時点で、2番手ダイワの位置で去年より2秒7も緩んだラップになっている。それでいてレース上がりは去年と同じなのだから、いかに今年の先行勢の走りがぬるかったかということだ(しかも馬場差は今年の方が0秒4前後速いと踏んでおり、同タイムといっても今年の方が価値は下がる)。
ハーツクライ級の馬が先行していたら、33秒8で上がっていても捕まえ損ねていた可能性はあるし(今年の馬場とペースなら、おそらく前に行った馬でも34秒5,6で上がれたはず)、また同じディープに勝たれるにしても、もっと微妙になっていただろう。その役割を、スタミナ勝負で早めに動けるデルタブルースに託していたのだが・・・。もっとも、去年よりもデキが明らかに良かったとはいえ、ディープが33秒8で上がってくることは読み違いだった。この点は素直に称えたい。ただ、前に行く馬のだらしなさ、相手も去年より一枚落ちのレベルであることに異論を唱える方はいないだろう。
長くなったのでパート2へ分ける。

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