さて有馬記念。序盤こそそこそこのペースで流れたが、中盤の緩み方が強くて結局かなりのスローになってしまった。チョウサンを除いた前残り、2番手から4番手にいた馬の順番が入れ替わってそのまま入ってくるという、見応えのまるでないグランプリとなってしまった。おまけにこのメンバーでこのペースなのに上がりが36秒台というのも凡戦。そんなに時計のかかる馬場ではなかったと思われるだけに・・・。
ただ上がりは掛かったものの、残り6Fから5F、そして3Fから2Fまでのラップの上がり方が急(ただしその次のラップが落ちすぎ)で、その意味では前に行った馬が瞬発力を使って後ろを封じ込めるという典型的な前残り競馬だった。ダイワスカーレットはまさに秋華、女王杯と同様の展開の競馬をなぞっただけだし、マツリダもAJCCと同じような競馬をしただけ。
が、解説でも言ったようにこれも競馬。有馬記念自体、数年に1回はこんな流れになってしまうものだ。ただこういう展開の競馬が、この秋はやたら多い。たまになら仕方ないが、こんな内容の競馬ばかりだと、ファンに感銘を与えることはできないし、レース本来の魅力である闘争心のぶつかり合いもアピールできない。ガチンコ勝負のスリルを、注目度の高いGTで見せていかないと、競馬人気回復のためにならないと思う。
とはいっても馬券的には負け惜しみ、予想としては完全な敗北。ロックドゥカンブの複勝にかなり張ったのは、万一スローになって相手にダイワが来てしまう時のことも考慮してのものだったのだが・・・。デカイ首差だった。また須田さんのおかげでマツリダは買い目に入れられたが、本命が4着では・・・朝にマツリダとロックドゥのワイドを買い足したので、悔しさは募る。
まあさらに負け惜しみを重ねれば、ロックドゥカンブは展開で見た場合は後方待機馬から唯一の掲示板突入馬で、あわや3着まで来たわけだし、不利の有無で見た場合は落馬寸前から6着まで来たドリパスはさすがの結果を見せてくれたとも言えるので、また来年に期待したい。
それにしても、このメンバーでスローペースを断言したたくみさんはお見事の一言。展開予想がほぼ正解だったのはさすがだ。私はスローと決め付けた阪神JFはハイペース、ハイと決め付けたJCや有馬がスローと、いつもに輪をかけて全くペースが読めていない。ペース判断は選ぶ血統に大きな影響を与えるだけに、ここを読み間違うと話にならない。結局、予想TVで最初に見せたボード通り(内枠の先行馬狙い)に買っていればよかったという皮肉な結果となってしまった。
中継では12Rも外れてしまいこの日の解説はノーホーラ。ゴールドクラウンもいい感じで上がってきたが、外を回っては駄目な馬場なので、あの外まくりでは4角で万事休す。それにしてもこの日の芝は外が全く伸びなかった。この日は負けに負けて、10倍から20倍のが3つ当たっただけだった。今年の馬券を象徴するひどいオーラスとなった。
中継は今年の競馬十大ニュースを選んで終了。競馬界にとってもあまり明るい年ではなかった印象。
本番中、オンエアされてない間に坂田さんや荘司さんと、年度代表馬について雑談。今年は代表馬はアドマイヤムーンで仕方ないだろう。3歳牡馬は該当なし、牝馬はダイワスカーレット。古馬牡馬はアドマイヤムーン、牝馬は該当なし。ダートはヴァーミリアン。2歳は両Jpn T馬。主要部門はこんなところが妥当ではないだろうか。ウオッカやサムソンが選から漏れてしまうのは致し方ないだろう。
この日をもって、芦谷さんが中継を卒業された。また私にとっては、結果分析の立ち上げからの盟友的存在だったMディレクター氏も、10年近く務めた中継を終了した。M氏は引き続き違う畑で競馬の仕事をするそうで、会うこともありそう。堅く握手して別れた。
なお、グリーンチャンネルから了解を得たので発表するが、来年は私の他に市丸さんがテレコで解説を担当することになる。私は13日から、市丸さんは20日から登場の予定。

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