マッチ、紅白まで突っ走る…21年ぶり全国ツアー開始
デビュー30周年を迎えた歌手の近藤真彦(45)が10日、岐阜・多治見市文化会館大ホールで約21年ぶりの全国ツアーをスタートさせた。28年前にコンサートを行った思い出の地で、スーパーアイドル復活の熱狂ステージを披露。「12月31日までは全開で行きます」と抱負を語り、14年ぶりのNHK紅白歌合戦出場にも意欲を見せた。
「せーの、マサヒコ!」「せーの、マサヒコ!」
開演直前、色とりどりのペンライトの光の中で、28年前にも聞こえたコールがよみがえった。大歓声を受け、約1500人の観客の前に登場したマッチは「あの当時も楽屋で聞こえてましたよ。全く同じ現象だけど、幕が開いたら、ちょっと変わってたね」。ステージでは新曲「ざんばら」など27曲を披露。「ギンギラギンにさりげなく」から「ブルージーンズ・メモリー」までのヒットメドレーでは熱気は最高潮に達し、ホール全体が昭和にワープした。
30周年メモリアルの柱となる今回のツアーのために、約5年ぶりに3か月間断酒。さらにランニングなどで体調を整えてきた。年内までに30公演の予定だが、「最後の最後は集大成をしたい。12月31日までは休むことなく全開で行きます。その代わり年が明けたら何もしないけど」。見据える先は96年以来遠ざかっている紅白だ。
NHKの音楽番組「SONGS」のスタッフが年内の放送に向けて、この日のステージから長期間にわたりマッチに密着。さらに3月2日にはNHK「歌謡コンサート」に約15年ぶりに出演するなど機運は高まっている。「この年になったらどっちでもいい」と笑うが、「歌謡―」で山本譲二、細川たかしらと再会したことを振り返り、「いろんな人に会ってみたいという気持ちはある」と願望ものぞかせた。
今回のツアーは、第1弾として7月19日の鹿児島公演まで15都市を回り、第2弾では正月の恒例だった東京・中野サンプラザでの13年ぶりの公演も10月中旬に計画している。「今日は近い分、武道館よりエネルギーがすごい。この広さが僕の原点だから。パワーをもらって日本中を回ってきます」。マッチの“30(サーティー)ブギ”は、大みそかでクライマックスを迎える。

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