今日はラヂオキオスクのリハーサル、明日はラヂコンズ。明々後日(28日)は三軒茶屋は夢弦で本番。実に泥縄である。頭の中が散漫になっていけない。
先日はラヂキオのリハーサルにグレッチを抱えて参じたが、ラヂコンズでのニーズにも鑑みて、今回はバーンズ“緑牛”で臨む事とした。何度も書いてきたけれど、皮肉にもあの不格好なギターが、今や僕にとって最も「なんとでもなる」楽器なのだ。
現場で酷使する――酷使に耐える楽器や機材を、よく「work horse」と喩える。僕のスティアはさしずめ労働馬ならぬ労働牛か。
ラヂキオでは基本的に歪み音は使わない事にしている。小さなアンプからびやーんという音を出したとて、あまり格好いいものではないと思うから。思えばバンドを始めたばかりの四半世紀前の僕は、歪み音になど興味は無かった。練習スタジオのツインリヴァーブで、ひたすら「しゃりーん」という音を出していた。しかしバンドの頭数が少ないがゆえ曲想を再現できない局面が多々あり、他の音色を研究し始めた。
今は小山がいるので幅がある。僕が「しゃりーん」でも問題ない。
時々、昔に戻ったようだと感じる。青臭く、下手糞で、刺々しかった。今はそれなりに演奏できるし、棘も削れた。しかしロックというよりは、素朴な地場音楽や、ひねくれたフォークのようなテクスチュアだ。過激な音など無いのに、ゆらゆらと、どこか現実感が薄い。歌が残り、それも消え、言葉になる。

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