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2006/2/20

明治維新とセリムの改革-1  国際政治・金融・企業

日本とイスラム社会は、時代的に似通った発展を遂げてきました。 聖徳太子とムハンマドはほぼ同時期に生まれ、アプローチの仕方は違いますが、国内を統一し、国家は安定し、順調に発展を遂げていきました。 そして、16世紀には、お互いに銃を世界で最も多く保有し、軍事力・経済力共に世界のトップクラスにありました。 日本は、織田信長、オスマン帝国では、第10代スレイマン1世の時代です。 

オスマン帝国や、スペイン帝国に比べたら、日本の繁栄なんか?と考えがちな我々日本人ですが、当時の国家の富は保有する金や銀の量で計るブリオニズム(重金主義)が主流でしたので、

それを基準に考えると、スペインはアメリカ大陸から略奪した銀で、世界最大の銀の保有国として、「陽の沈む事のない」世界一の経済大国とされていました。

日本の場合は、国内の石見・大森銀山から産出した銀を、日明貿易や欧州諸国との貿易に使っており、この日本から国外に流出した銀と、アメリカからスペインに送られてくる銀の量がほぼ同じであったという事は、実は日本も世界に冠たる経済大国であったのです。

石見銀山 と ブリオリズム  
http://wave.ap.teacup.com/renaissancejapan/817.html

しかしながら、日本では江戸時代には、国内勢力の力をそぐ為の、徳川の政策により、銃から刀に逆戻りし、軍事力は低下し、非合理的な文化が花開きました。 オスマン帝国も17世紀には衰退期を迎え始めます。 17世紀は、ヨーロッパの科学革命の時代で、科学技術力により、オスマン帝国とヨーロッパの軍事力が逆転した時期となりました。

それ故、日本は明治維新で、西洋から文明を取り入れ、近代化を図りましたが、明治維新より約100年前にオスマン帝国でも西洋化を始められました。 それは、フランス革命と同じ年の、1789年に即位したセリム3世から始められました。


しかしながら、以後の歴史を見ると、日本とオスマン帝国は全く対照的な道を歩み始めます。 

オスマン帝国内では、1832年にギリシアの独立を皮切りに、キリスト教諸国の反乱、アラブナショナリズムによるアラブの反乱、またエジプトの反乱もあり、国内は乱れてきました。 

特に、ギリシアの場合、ヨーロッパ人のアイデンティティは、古代ギリシアとローマ帝国にあるので、ヨーロッパ列強の介入による非イスラム化も背後にありました。

紀元前7世紀に、古代ギリシア人によって建設されたビザンチンは、その後ローマ帝国のコンスタンティヌス大帝により、コンスタンティノーブルの名を得、イスラム教徒のトルコ人が建設したオスマン帝国が1453年にイスタンブ−ルと名づけましたが、そのイスタンブールが陥落後の1456年には、アテネも征服されました。 

こうして、ギリシア独立1853年まで、ギリシアはイスラム教徒のオスマン帝国に、400年間支配されました。 この間も、宗教はキリスト教であるギリシア正教を守り通しました訳ですが、ギリシアにとっては屈辱の長い歴史であったに違いありません。

オスマン帝国の西洋化は、セリム3世の時代に、フランスのルイ16世に助言を求め、その後マフムート2世に引き継がれていきます。 西洋式の学校を設立したり、軍隊の服装もトルコ服から洋服へ、ターバンは禁止されトルコ帽が採用されました。 この改革の成果は目覚しいものがあり、指導者層もフランス語は堪能で、交渉術にもたけていました。また、それまではフランスをモデルにしてきましたが、1870年の普仏戦争後、新興ドイツをモデルに近代化を図りました。 

しかしながら、結果はご存知の通り、第一次世界大戦でオスマン帝国は敗戦し、欧米列強に解体されて、シリア・レバノンはフランスに、イラク・パレスティナ・ヨルダンはイギリスに、アラブ地域はメッカのハーシム家の統一アラブを阻止する為にイギリスとフランスに分割されてしまいました。

同じ西洋化の近代化政策をとり、日本は明治維新後に世界の5強となり、今日では経済力も世界で第2位となるまで発展したのに、何故オスマン帝国は坂道を転げるように転落して行ったのでしょうか?

長くなったので、続きは次回の投稿に回します。

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