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2006/2/23

日本とオスマン帝国-1  国際政治・金融・企業

同じように、西洋近代化を進めた日本と、オスマン帝国ですが、日本は国際連盟の常任理事国として、世界の5大国の一つとなり、第二次世界大戦では敗戦を経験した物の、その後は世界で第二位の経済大国になりましたが、一方のオスマン帝国は、坂道を転げるように転落してゆきました。 

何が違ったのでしょうか?

それは、宗教への接し方、科学技術力、近代資本主義、国内の統一能力であったと思われます。

歴史を見ると面白い事に、宗教が幅を利かせ始めると、その文明は衰退してゆきます。

古代ギリシア、ローマ帝国というヨーロッパのアイデンティティを築き上げた素晴らしい
ヨーロッパ文明も、キリスト教がローマ帝国を飲み込み、ヨーロッパ全体を支配すると共に、文明の力は衰え、中世にはイスラム世界に逆転されてしまいました。 イスラムは、ペルシア、イスタンブール、ギリシア、エジプトを暴力で征服し、これらの素晴らしい文明を手に入れ、繁栄を極めましたが、イスラム教という宗教で人々を抑圧する事により、
衰退期に入っていきました。

一方で、ヨーロッパは17世紀に宗教改革が起こり、カトリックの一極支配は終焉し、プロテスタントの信仰も認められるようになり、大航海でアジアを知る事によって、世界の歴史が必ずしも、キリスト教で教えられたものではない事を知り、物事を自然に、かつ客観的に見ようとするようになりました。 ここで自然科学と近代資本主義が発達し、軍事力もイスラム(オスマン帝国)を逆転するようになりました。

すなわち、いずれの場合も、強い宗教支配が始まると、文明は退化してゆき、その宗教心が薄れた時、文明は発展のきっかけを掴んでいます。

日本の場合は、聖徳太子の「神仏儒習合」思想により、一つの宗教の言う事を鵜呑みにせず、良い所だけをとり、神の絶対性よりも、自分の理解による選択の方が強いという世界でも稀な宗教観を築き上げる事となりました。 また、これにより、宗教の種類にとらわれる事無く、思想は開放され、他の文明をフレキシブルに吸収するという習慣を身に着けました。

また、我々日本人の文化は、飾り立てる事をあまりせず、自然の有りのままを大切にする「生成りの文化」です。 実は、この有りのままに受け入れるという姿勢は、物事を捏造・歪曲する事無く、客観的に見つめる事が出来るという事であり、学問やビジネスにも、最も要求される能力であります。


何故か、教科書であまり教えてくれないので、日本人自身が知らないケースが良くあるのですが、今日の原子物理学の基礎理論を切り開いていったのは日本人の科学者と、ドイツ人の科学者達です。 原子核の周りを、電子が回るという土星型の原子構造を、世界で最初に提唱したのは、江戸末期に生まれた長岡半太郎ですし、その原子核の構造(中性子、陽子、パイ中間子)の理論を築いたのは湯川秀樹です。 また、電子にはK,L,M殻・・・の軌道があると習ったと思いますが、K殻を理論的に予測したのも湯川秀樹です。 その後、朝永晋一郎、江崎玲於奈など、長岡博士を除く4人はノーベル賞を受賞し、原子力エネルギーや半導体の理論が築き上げられました。 


残念ながら、オスマン帝国では、このような際立った科学技術の成果を残した例はありません。 また、アラビア商人をイメージする商売が昔からあり、一見イスラムの人達は、昔から自由経済主義で、商売上手に見えます。 しかし、近代資本主義は全く違った物であり、ガマの油売りのような単なる口上手や騙しあいでは、ビジネスはできません。

どういう事かというと、昔の商売は、扱う単位は小さく、そのビジネスの行動原理は、その場の衝動により突き動かされているものです。 それに対し、近代資本主義は、緻密な利益計算のシミュレーションにより、ビジネスの行動原理が決められるものであり、その場の衝動では価格は取り決められません。

また、株式を使い、極めて巨額の取引がなされる物で、これまたシミュレーションにより、綿密なビジネスプランを作成して資金調達する必要もあります。 さらに、何よりも国家としても、証券取引所のような金融インフラも必要とされます。


ユダヤのタルムードには、金利により、お金を借りると支配される側になってしまい、貸す側になると支配する側になるという教訓が書かれており、ユダヤ人は倹約する事を幼い時から帝王学のように学びますが、このオスマン帝国を見る限り、そういった知恵は働いておりません。 今でもイスラム銀行は、金利というものがないそうですが、これも宗教からくるものが、判断を誤らせてしまったのだと思います。

                                 続く

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