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2006/7/7

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日本の夏の風物詩に七夕祭りがあります。 この図は、七月七日の夜9時から11時頃の夜空を示した物ですが、東の天空には大きな三角形が見えます。 

青白くぼんやりしているのが天の川で、こと座にある大きな三角形の頂点の星が、「こと座のベガ(おりひめ)」で、わし座にある大きな三角形の頂点の星が、「わし座のアルタイル(けん牛)」です。



中国、日本のロマンティックな七夕伝説は、以下のような物です。

昔、天の川の西に天界の機を織る「織女(しょくじょ)」が住んでおり、彼女が毎日忙しく1日中織物をしているのを見た天帝は、対岸に住む牛飼いの「牽牛(けんぎゅう)」と結婚させ天の川の東で暮らさせることにしました。

ところが、この二人は一緒になると話をしてばかりで一向に仕事をしなくなり、怒った天帝は織女を天の川の西に連れ帰りました。  織女は毎日泣いてばかりいたので、気の毒に思った天帝により、1年に1度7月7日だけ、織女が天の川を渡って二人が逢うことが許されたという話です。


実は、この七夕伝説は、メソポタミア地方からヨーロッパ、さらにアジア各国に同じ伝説があり、その元になったのは、シュメールの神話であると思われます。

現在、我々が使っている1週間7日はシュメール文明で生み出された七曜から来ている話は既にしました。 ウルク城は別名イミン(7)と呼ばれましたが、ラッキーナンバーの7を重ねた話は、洪水伝説にもみられます。 

ギルガメッシュ叙事詩では、7日目に箱舟が完成し、7日目に嵐がおさまりました。 そして、船がニシル山に漂着して、6日間は動かずにいて、7日目に鳩を放して確認し、船を下りた後、生贄を捧げ、山の頂に神酒を注いだ後、7つ、7つと祭器を置き、葦と杉の木とテンニンカを積み上げたとあり、神々はその甘い香を嗅ぎ、天より降り生贄の周りを取り囲った、と記述されています。

旧約聖書のノアの洪水は創世記第7章から記述されていますが、ノアの箱舟がアララト山に漂着したのが、7月17日です。

7という数字を重ねる七夕伝説は、ユーフラテス河の左右に分かれ敵同士だったウルク城の姫がラガッシュ城の王子と年1回だけの逢う瀬を、密かに7を重ねた奇跡の日だけに長く延びる青竹につかまって、双方より渡り、川の中州で逢って寄り添った、というシュメール神話が、世界に広がったものだと思われます。


ギリシア神話では、こと座にまつわる神話として、七夕伝説と似たような話があります。

人間最初の詩人であり音楽の天才でもあったオルフェウスは、エウリュディケという美しい女性と結婚しました。 が、幸せな日々を過ごしているうちに、美しい妻が野原で毒蛇に咬まれて死んでしまいました。 オルフェウスが冥界の入り口をみつけ妻を取り戻しにいき、冥界の川を渡り、冥界の王ハデスも連れ帰ることを許しますが、地上に着くまでは後を振り向いてはならないという条件をつけます。 しかし後一歩というところで、オルフェウスは振り返ってしまい、妻を再び失ってしまい、悲しみのあまり自分も死んでしまいます。 オルフェスは竪琴の名手で、その琴も一緒に葬られたので、悲しい歌と琴の音が聞こえ続けました。 それを聞き哀れに思ったへラの計らいで、オルフェウスとエウリュディケの魂は再会することができ、オルフェウスの琴は天に昇り、こと座となりました。 

このように、ギリシア神話でも、こと座にまつわる話は、男女が一度引きさかれ、再会するというものです。 この話は、日本神話で、死んだ妻イザナミを黄泉の国から連れ戻そうとしたイザナギが、後を振り返ってはならないと言われていたのに、振り返ってしまいイザナミを失った話にも良く似ています。

また、フィンランドにも愛し合った夫婦ズラミスとサラミが死後に、天の川を渡って再会する神話があり、シュメールの七夕伝説が、一度ギリシアに伝えられ、そこから形を変えながら、ヨーロッパ各地やアジア各地に伝承されたと考えられます。

中国で七夕伝説が成立したのは漢の時代で、漢の時代に編集された「文選」の中の「古詩十九編」に文献として初めて登場しました。  


日本にこの話が伝わったのは、私の推測では、まずイスラエルを追われ放浪の民となったたヘブライ人がシルクロードに散らばり、彼らが古いシュメール神話や、ギリシア神話の七夕伝説を既に日本に伝えていた。 そして、これらの神話の伝承が、日本神話の原型となっている。 

その後に、仏教伝来と共に中国の七夕伝説(原型はシュメール神話、ギリシア神話)が、奈良時代に伝わってきたのではないかと思います。


星座とか星占いは、ギリシアが発祥のように思われていますが、今日我々が知っている夜空の88の星座のもとをつくったのは、今から6000年前のメソポタミアの遊牧民であったことが知られており、星座をつかって占う西洋占星術は、古代バビロニアの占星術が、ヘレニズム時代にギリシャに伝えられたのが始まりとされています。

地球上の文明のほとんどは、メソポタミア文明とエジプト文明が基礎となっており、世界中の神話に関してはこれらの文明を引き継いだギリシア文明にそのルーツがあるように思われます。

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タグ: 七夕 天の川 琴座

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