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2006/7/27

モーゼの最期  旧約聖書
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■ Moses's Testament and Death   1481-1482年
Fresco, 350 x 572 cm
Cappella Sistina, Vatican
SIGNORELLI, Luca 作



旧約聖書(申命記第34章1節−12節)

モーゼはモアブの平野からネボ山、すなわちエリコの向かいにあるピスガの山頂に登った。

主はモーゼに、すべての土地が見渡せるようにされた。  

ギレアドからダンまで、ナフタリの全土、エフライムとマナセの領土、西の海に至るユダの全土、ネゲブおよびなつめやしの茂る町エリコの谷からツォアルまでである。

主はモーゼに言われた。

「これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。  わたしはあなたがそれを自分の目で見るようにした。  あなたはしかし、そこに渡って行くことはできない。」

主の僕モーゼは、主の命令によってモアブの地で死んだ。

主は、モーゼをベト・ペオルの近くのモアブの地にある谷に葬られたが、今日に至るまで、だれも彼が葬られた場所を知らない。

モーゼは死んだとき百二十歳であったが、目はかすまず、活力も失せてはいなかった。

イスラエルの人々はモアブの平野で三十日の間、モーゼを悼んで泣き、モーセのために喪に服して、その期間は終わった。

ヌンの子ヨシュアは知恵の霊に満ちていた。 
モーゼが彼の上に手を置いたからである。 

イスラエルの人々は彼に聞き従い、主がモーゼに命じられたとおり行った。
イスラエルには、再びモーゼのような預言者は現れなかった。  

主が顔と顔を合わせて彼を選び出されたのは、彼をエジプトの国に遣わして、ファラオとそのすべての家臣および全土に対してあらゆるしるしと奇跡を行わせるためであり、また、モーゼが全イスラエルの目の前で、あらゆる力ある業とあらゆる大いなる恐るべき出来事を示すためであった。

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2006/7/31  0:13

 

単なる、ハリウッドが好んでよく作る歴史大作ではない。
リドリー・スコット監督はきわめて男性的な映画を作る人で、
「男前(←単に容姿だけを指すのではなく)」や「英雄」を
描くことに長けた人だ。
この映画でも彼のスタイルが貫かれていて、
オーランド・ブルーム演じるバリアンが、
勇壮で賢明でカリスマ性を持った英雄として
見事に描かれている。(難を言えば、一介の鍛冶職人が
そこまでに至るプロセスの描写が雑か?)

オーランドは最近母国英国でも「今後最も期待される俳優」
に選ばれているが、この映画は彼のスター性を決定づけた
と思う。そして彼のこの映画での変身は、
監督の手腕によるところが大きいと言えるだろう。

ロケ地はスペインとモロッコらしい。
私はエルサレムには実際に行ったことはないが、自宅のテレビ
にイスラエル放送が入るほど近接した地に住んでいた。
地続きの自然、建築様式等、昔ながらの街の様子は
共通する点が多く、自分が知る限りにおいて、
今回のエルサレムやその周辺地の再現セットは素晴らしい。

主人公バリアンがキリストの磔刑が行われたゴルゴダの丘に
上り、その丘から望む風景が映し出されるシーンがある。
私が大好きで、50回以上は足を運んだスピガの峰(ネボ山)
というモーセ昇天の地から望むカナンの遠景にそっくりで、
一瞬そこでロケを行ったのではと錯覚するほどだった。
実際のロケ地はスペインらしい。
戦闘シーンのロケ地はモロッコだと思うが、
まるで「アラビアのロレンス」で用いられた
ワディ・ラムを彷彿させる景観とスケールであった。

↓空から見たスピガの峰(ネボ山)
 頂上にビザンチン時代に立てられた教会が建っている。
 下手の方向がイスラエル側で、夕暮れ間近には、
 水面が金色に光り輝く死海が見える。



そして、西洋の「偏見に満ちたエキゾチシズム」
という点に注目して、この映画を見てみると、
これがまた十字軍側、イスラム側双方がかなり公平な眼で描
かれており、第三次十字軍遠征前の比較的両者の力が拮抗
し、地域に束の間の安定が訪れた時代の賢王に対して
きちんと敬意が払われ、とても好感の持てる人物描写だった。
映画化にあたって、脚本家も詳細なリサーチを行ったようだ。
だからこそ、イスラム世界を代表する俳優が出演を快諾した
のだと思う。

「命を賭して守るべきものは何か?」「人はなぜ戦うのか?」
という命題に対して、本作は明快な答を示していると思った。

「エルサレムとは貴方にとって何か?」「”無”だ」。

〜この作品の舞台は、一般の日本人には馴染みが薄いので、
少し長めの解説を加えました。
「歴史」を大雑把に処理しがちなハリウッドにしては、
かなり頑張った作品だと思います。とにかくご覧あれ。 


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