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2005/10/15

大衆社会を定義する物の一つに、階級社会の崩壊があると思いますが、気をつけておかねばならない事は、ある特権階級からパワーが大衆に移行する事と、それが大衆の為になるかという事は別物であります。 

今のアメリカを見ても分かりますが、パワーを持った大衆の行動は、公共性からかけ離れ、超利己的な個人主義に走っている事に気づきます。 コーヒーを自分のミスでひざにこぼしてヤケドをしたら、熱いコーヒーを提供したお店が悪いといって訴訟を起こし、ヤクザの因縁まがいの行動で、金を巻き上げる、etc.

ヨーロッパの本来の共和思想は、王権や階級社会に対立はするものの、大衆社会が個人の利益争奪合戦となり、人々が公共心を持たずに自己主張ばかりする行き過ぎた民主主義に警戒的です。 

法律に明記されていなくとも、自らバランスや秩序を保つ事ができるのは、長い歴史を持ち高度な文明を育んできた事や、キリスト教という宗教の影響もあるでしょう。 

他方、同じキリスト教を中心とした精神文化を持ち、自由と民主主義を謳うアメリカですが、エロ教祖による新興宗教のキリスト教が乱立し、法に触れなければ何をやっても良いという考えは、一口に欧米といっても似て非なるものです。

日本は、ヨーロッパと同様、長い歴史を持ち、その中で育まれてきた、公共心というものがありましたが、残念ながら大衆社会の悪いとこばかりを真似た社会になって来ているように思います。

ニュースを見ても、子供への虐待、教師によるセクハラ、マスコミの記事捏造、金権汚職の政治家、等の社会性を欠いた事件の数は急増し、明らかに日本人自身が変質してきているのが分かります。  

子供への虐待については、ヨーロッパより圧倒的にアメリカが多く、親の暴力で死亡する子供やエロ被害が多いようです。 また、家庭内暴力においては、軍人に多く、特に有色人種の妻が被害に会うケースが多く報告されています。 これらのデータはAbuse(虐待)のキーワードでインターネットにアクセスすると簡単に得られます。

弱者への虐待は、古今東西どこでもある事だと思いますが、最近のアメリカと日本における事件は、度を越しており、事件の件数についても憂慮すべきものであります。

この背景には、権威(政府、宗教、エリート)、階級、既存の秩序などを攻撃する大衆主義の影響は否定できません。 

資本家と労働者を対立させた概念で、共産革命によりこれら労働者を解放しようとしたマルクス主義ですが、実は考えが浅いとしか言いようがありません。 何故なら労働者は働いて得たお金で会社の株を買うことができ資本家や投資家ともなります。 

よって、この両者は対立した構造ではなく、労働者とて資本家や投資家でもあるのが現実です。  また、多くの経営者とて平社員から経験しているので、これまた対立構造にするには無理があります。 ほとんど全ての共産主義政権国家の経済が破綻し、自由と民主主義政権下での企業が成功している理由は、経営者にあります。

経営者は資本家でなくともなる事ができ、もとは平社員という労働者層から生まれます。
現実社会では、多くの大企業に於いては、資本家と経営者の分離がなされ、能力あるものが経営を任されます。

多くの従業員の中から、優秀と認められる人たちが長い時間をかけてふるいにかけられ、リーダーシップ、社会性、経営能力、科学技術の知識や開発能力、語学等の様々な観点から能力を見極められて経営者となってゆきます。 また、その実績が社外でも評価されるとヘッドハンティングをされ、別の会社で経営者となってゆきます。 もちろん、世の中には上司にオベンチャラを使い上に上がる人も居ますが、そういう人たちの割合は少ないと思います。  

すなわち、ここには横並びとは違い、歴然たる優秀なエリート層たちにより動かされているという事実です。 

大衆社会に於いては、自己で解決手段を持たずに、権威や能力あるものをただ批判するニヒリズムが横行します。 マスコミや最近流行のBlogを見てもこの手の記事の多さに気づく事でしょう。

しかしながら、本当に自分で解決策を持ち、会社や社会を変えていきたいならば、それだけの能力を持ち合わせた上で、実際にその組織の中に入り、改革していくべきだと思います。

もしも、その組織体にすら入る事できないならば、素直に自分の能力のなさを認める勇気も必要でしょう。

一度しかない貴重な生を受けた私達は、皆が楽しく生きていけるよう、個人の人権は最大限尊重しあっていくべきだと思いますが、大衆社会にあって忘れてはならないのは、「身の程をわきまえる事」も重要です。 複雑化した社会の中では、別にエリートでなくとも、自分にあったポジションを見つけることが出来れば、それぞれ幸せに暮らす事ができるように思います。
 
そして、社会性をもって皆が幸せに暮らそうと思うならば、弱者を身を張って守る勇気も必要ではないでしょうか。
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